来る1月28日(土)にノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会で「加速する戦争準備~日本は台湾を守るために中国と戦うのか」と題した講演会・意見交換会を開催します。企画開催にあたって、当会事務局長の新垣邦雄さんから、現状と今回のテーマについてまとめていただきました。ぜひお読みいただき、ご参加いただきたいと思います。また呼びかけの拡散をお願いします。
歯止めなきミサイル要塞化 「台湾を守る」戦争を拒否する
政府は安保3文書の閣議決定以降、凄まじい勢いで沖縄・全国の軍事化を進めている。特に沖縄の「ミサイル要塞化」は急激だ。宮古、石垣に続き、うるま市に陸自地対艦ミサイルが配備される。与那国にも地対空ミサイルを配備、沖縄市には弾薬庫。米軍も無人ミサイル配備を計画し、嘉手納基地に無人偵察機が配備された。米国トマホークを爆買いし、日米訓練に米軍ハイマース・ミサイルが投入された。防衛省は中国に届く長射程・敵基地攻撃ミサイルの開発を急ぎ、沖縄の島々への大量配備が想定されている。
自衛隊が「軍民共用」する那覇空港の誘導路増設、宮古、石垣、与那国、波照間島の空港滑走路の延長、与那国新港など港湾の軍事化も進む。自衛隊司令部の地下化、血液確保・遺体処理訓練。先島の全島避難計画は、避難先の九州各県との調整が始まった。県民の頭越しに「戦争準備」が加速し、もはや「戦争前夜」のありさまだ。
政府はあたかも中国が沖縄、日本に攻め込んでくるかのように「中国脅威論」を煽り、軍備強化を進めている。本当だろうか。ジャーナリストの布施祐仁氏は本紙への寄稿で、安保3文書の狙いは「中国の台湾侵攻の抑止」であり、「岸田首相は日本に大量のミサイルが降る事態になっても、米国と一緒に台湾を守ると考えているかもしれない。しかしそのような国民的合意は存在しないし、説明すらなされていない」と指摘した。軍備強化の目的は「中国から台湾を守る」ことであり、日米が台中の紛争に関与すれば「日本が戦争に巻き込まれる」というのだ。
布施氏は「米軍基地が集中する沖縄島は先島以上に攻撃目標の懸念が大きい。沖縄島を屋内避難とするのは、130万人の避難は不可能だからだ」と指摘する。台湾有事に向けた「日米の軍事一体化は全国で加速し、沖縄だけでなく全国がミサイル戦場となる可能性がある」と言う。那覇空港の誘導路増設は、羽田空港事故のような事故のリスクを高める。
私たちは政府の「戦争目的」をはっきりと見定める必用がある。「中国から台湾を守る」ために沖縄・日本が戦争に巻き込まれるのは「真っ平ごめん」と反対の声を上げよう。
布施祐仁氏の「加速する戦争準備~日本は台湾を守るために中国と戦うのか」講演会を1月28日(日)午後5時半から8時、那覇市古島の教育福祉会館で開く。当会の具志堅隆松共同代表、下地茜宮古島市議らが意見交換する。入場無料。カンパを募る。問い合わせは、電話090-2716-6686(新垣)
新垣邦雄(当会事務局長)
※今回の寄稿は琉球新報論壇での掲載分を転載したものです。