メルマガ103号

今回は「南西諸島軍事強化トピック」です。毎日更新している沖縄「戦前新聞」の情報を当会発揮人の新垣邦雄さんに解説していただいています。年初から軍事強化、軍拡の記事が毎日、洪水のようにあふれかえり、毎朝の記事を確認するのが憂鬱になります。しかし、この状況をしっかりとつかみ、何が起きているのか、この解説で頭の整理をし、今私たちが何をすべきかを考えていければと思います。ぜひご覧ください。
こちらをクリックしてご覧ください。
https://nomore-okinawasen.org/category/prewar/

「島々を戦場にするな!沖縄を平和発信の場に!2.26緊急集会」のお知らせ  
現在、島々がいつ戦場になってもおかしくない、ミサイル戦争が始まってもおかしくないくらいの大軍拡の大波にさらされている沖縄、奄美。この大波を跳ね返し、絶対に戦争を二度と起こさないための緊急集会が開催されます。ぜひご参加いただくこと、一人でも多くの方に拡散していただくことを心より願っております。よろしくお願いします。詳しくはこちらをご覧ください。
https://nomore-okinawasen.org/5785/

ブックレット表紙リード文訂正のお知らせ
ブックレット『また「沖縄が戦場になる」って本当ですか?』(1冊500円)の注文ですが、まだまだ反響が大きく、多くの注文をいただいております。
先に購入された方からご指摘を受けた点がありました。お詫びして新しい印刷分から訂正いたします。訂正箇所は表紙のリード文の最初の部分です。

(誤)2022年12月24日 ⇒(正)2021年12月24日 

ご注文いただいたのに、在庫不足などにより、時間がかかってしまうという事態が起きています。そこで注文フォームを作成しました。注文はこちらで一元化いたしましたので、必要事項を記入の上、お送りください。⇒ こちらをクリックしてください。
https://nomore-okinawasen.org/3226/

(以下再掲です。ご確認ください)
(新チラシ「また沖縄が戦場になるってホント??~だまされないで‼4つのウソ」のご紹介!!) 
 結成から1年、チラシを刷新し、より見やすく、わかりやすく、多くの方々が今の状況を知るためのチラシが出来上がりました。イラストを多く入れ、色味もやさしく、手に取りやすい内容です。学習会や集会、またメールでの転送など、拡散をお願いします。
案内のページ、ダウンロートはここをクリックしてください。
https://nomore-okinawasen.org/5452/

南西諸島軍事強化トピック(2月13日~19日)

◇知事、防衛力強化を懸念 所信表明 地域外交展開へ(沖縄タイムス 2023.2.15)
◇知事、安保政策を重視 「戦争間近」にくぎ刺す(沖縄タイムス 2023.2.15)
◇平和構築へ独自外交 知事運営方針 辺野古反対強固に(琉球新報 2023.2.15)
◇ミサイル保管場所未定 防衛相 反撃能力の長射程弾(沖縄タイムス 2023.2.18)

玉城知事所信表明ー戦争準備にくぎ刺す
 玉城デニー知事が定例県議会で所信表明を行なった。「南西諸島の防衛強化に強い懸念を表明」し、「県政運営の決意」の項で、「約4000字の半分を安全保障政策に割き」(沖縄タイムス)防衛(軍備)強化、戦争準備に前のめりの政府にくぎを刺した。
 タイムス「知事所信表明演説」から関連部分を以下に示す。

 「日米政府に対し「当面は在日米軍基地専用施設面積の50%以下を目指す」とする数値目標の設定と実現を実現を強く求める」
 「閣議決定した安保関連3文書に「(沖縄の)第15旅団の師団への改編」や「空港・港湾の整備強化、訓練による使用」など沖縄の防衛強化に関する記述が多数見られる」
 「安全保障環境が厳しさを増していると認識するが、二度と沖縄を戦場にしてはならないと考えている。国民的な議論や地元に対する説明がないまま、「南西地域」を「第一線」とする安保関連3文書は、熾烈な地上戦の記憶と相まって県民に大きな不安を生じさせる」
 「政府に対して、詳細な説明や協議の場を設けるよう求める」「記載された内容が県内において具体的にどのように展開されるのかについて調査・研究を行ない、沖縄県として日米政府が取り組むべき平和構築の在り方について発信していく」
 「軍事力の増強による抑止力の強化がかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生じることを強く懸念しており、米軍基地集中に加え、自衛隊の急激な基地機能強化により沖縄が攻撃目標となるリスクを更に高める事態を生じさせてはならない」
 「政府に対して、そのような事態が生じることのないよう最大限の努力を払うとともに、平和的な外交・対話による緊張緩和と信頼醸成に取り組むよう強く求める」

独自に「地域外交」展開
 「アジア・太平洋地域における関係国等の平和的な外交・対話による緊張緩和と信頼醸成、県民と国民の理解と行動がこれまで以上に必要」「沖縄が国際交流を通し築いてきたネットワークを最大限に活用し、同地域(アジア・太平洋地域)における平和構築に貢献する独自の地域外交を展開するため、地域外交室を設置する」
 「国連や国際社会に対し、沖縄の基地負担の現状、辺野古新基地建設に反対する理由や、基地から派生する諸問題解決の必要性などを発信する」
 「ワシントン駐在を活用し、米国内での情報収集、有識者と連携した会議の開催、連邦議会関係者への働きかけ」「米国政府、米国連邦議会の理解と協力を得るため、私が直接、沖縄の基地問題の実情を訴えることも重要であり、訪米活動を行いたい」

 等々と述べている。ポイントはまず①「政府安保3文書」防衛政策の大転換に対し、「国民的な議論や地元への説明がない」とする疑義②沖縄・南西諸島の軍備強化が「地域の緊張を高め不測の事態=米軍、自衛隊強化により沖縄が攻撃目標(戦場)となる懸念」③県民への詳細な説明の要求④政府への「平和的な外交・対話による緊張緩和」の要求⑤政府任せにせず、「平和構築の独自の地域外交」、「国連・国際社会への発信」、「知事訪米」、「米国政府への要請」、「米国議会へのロビー活動」など独自の「自治体外交」を展開する。

「長射程ミサイル配備反対」にじむ
 所信表明の文書には、これまで玉城知事が都内の講演会などで言及した「敵基地攻撃能力保有」が憲法に反するとの疑義や、「長射程ミサイルの沖縄配備に反対」などのあからさまな表現はない。しかし上記の文言から知事の真意は十分に酌み取れる。今後の政府との交渉で「長射程ミサイルの沖縄配備」が大きな焦点になることは間違いない。

 浜田防衛相は17日の記者会見でも「長射程ミサイルの保管場所」について「現時点で決定していない」「詳細を示すことで自衛隊の能力を明らかにする恐れがある」と説明を拒んだ。敵基地攻撃能力を有するミサイルの保管、配備場所は敵ミサイルの攻撃、反撃対象となる。「手の内は明かせない」(岸田首相)ということであろう。保管、配備先にとっては戦争に巻き込まれる住民の生き死にに関わる問題だ。政府の防衛秘密の厚いベールを振り払い「長射程ミサイル配備反対」を貫けるか、玉城知事の決意と姿勢が問われる。

◇日米訓練きょう開始 県内、下旬から離島訓練(琉球新報 2023.2.16)
◇来月5日、離島奪還訓練 日米共同 シュワブなど使用(琉球新報 2023.2.17)
◇宜野座で初 日米上陸訓練 離島防衛想定 各地で来月5~12日(沖縄タイムス 2023.2.17)
◇離島奪還訓練が本格化 日米 大分で演習、オスプレイも(琉球新報 2023.2.19)

残存兵力30%の石垣「奪回作戦」
 政府防衛省は長射程ミサイルの保管・配備計画はもとより、「敵の攻撃を受ける可能性」についても「仮定の質問には答えられない」と以前、石垣市議らに説明を拒んでいる。あまりに不誠実ではないか。一方、石垣島の「島嶼奪回」作戦の防衛省内部文書では敵軍の上陸を想定し「(敵・味方の)残存兵力が30%になるまで戦闘を実施する」こととし、自衛隊の増援を得て「(島の)再奪回は可能」と記されていることが国会で暴露されている(2018年11月・衆院安全保障委員会、赤嶺正賢衆院議員)。同文書には「国民保護」は「自衛隊が主担任ではなく、所要を見積もることはできない」とも記されているという。自衛隊の主任務は戦闘であり「住民保護は任務にない」ということであろう。あまりに無責任ではないか。

 「敵・味方の)残存兵力30%」の戦闘とは自衛隊がほぼ壊滅状態に陥るほどの激戦ということであろう。市民の「生存率」はどれほど見積もられているのか。それほどの激戦なら市民の甚大な犠牲を免れようはずがない。

大規模離島奪還訓練ー戦闘機・艦艇が射爆撃
 日米の大規模「離島奪還訓練」アイアン・フィスト(鉄の拳)が始まった。米本土で訓練を重ね国内で初実施。沖縄の島々を想定、奪われた島を奪い返す実戦想定の「離島奪還」訓練である。次の「沖縄戦」が間近に迫る恐怖心を覚える。琉球新報に、着陸した米軍オスプレイから次々と降りる米兵の写真が掲載されている。

 演習場内の訓練について「先行した陸自部隊が安全を確保した場所にオスプレイが着陸。海兵隊員40人が降り立ち移動」と記事にある。自衛隊、米軍のオスプレイ、ヘリ、水陸両用車、戦闘機が用いられ、沖縄県内では「金武町のブルー・ビーチ訓練場に陸自の水陸両用車が上陸」「ハンセンではヘリで人員を投入」「渡名喜村の入砂島射爆撃場では日米の陸上部隊が攻撃を誘導し、米軍のF35ステルス戦闘機とAH1攻撃ヘリが射撃」「陸上部隊が攻撃目標を伝え航空機や艦艇が射撃」などと生々しく地上戦の模様が記されている。

捨て置かれる住民
 奪われた島を奪い返すために、空から海から日米軍が上陸し、米軍戦闘機やヘリで島を爆撃する。これが現実となれば「奪われた島」の住民はどうなるだろうか。「残存兵力30%」などと想定される激戦のさなか、住民の安全は「任務外」と切り捨てられ、敵味方が死力を尽くす「島嶼争奪戦」の戦場に、住民は無防備に捨て置かれるのではないか。

 政府、防衛省は防衛秘密を隠れ蓑に、戦場と想定する島々の住民への「丁寧な説明」を拒むことは許されない。長射程ミサイルの保管・配備計画も明らかにすべきだ。玉城知事は政府、防衛省に自衛隊、米軍の台湾有事日米共同作戦の中身を問いただしてもらいたい。県民は知る権利がある。うるま市長、石垣市長、沖縄市長のように「安全保障は国の専権事項」と無責任に下駄を預けるわけにはいかないのだ。

 自民党国防部会長の任にある国場幸之助衆院議員は県民への説明責任を果たすべきだ。沖縄選出の政権与党、野党国会議員はそれぞれの立場で、県民の生命の安全に関わる「南西諸島防衛強化」の内実を明らかにしてもらいたい。
 
2月14日(火) https://nomore-okinawasen.org/5791/

考 南西「有事」 有事回避へ「対話重要」 シンポ 沖縄・台湾の識者討議(沖縄タイムス 2023.2.14)
「有事」回避へ知恵を 沖縄・台湾識者らシンポ(琉球新報 2023.2.14)
追う南西防衛強化 沖縄・台湾識者シンポ 対話重ね平和実現へ (琉球新報 2023.2.14)
社説 安保大変容 「台湾有事」と市民 平和は対話の先にこそ(沖縄タイムス 2023.2.14)
自衛隊 南西シフトを問う 安保「最前線」の現場から 公共インフラ使用の先 民間地の恒常利用狙う(沖縄タイムス 2023.2.14)
意外と知らない「有事」の話 ■13 広い外交 日中の基礎 日本の努力は十分か? 抑止力はいたちごっこ(沖縄タイムス 2023.2.14)
防衛強化 安全担保せず 宮本元中国大使に聞く 信頼醸成へ日中対話重要(沖縄タイムス 2023.2.14)
反撃能力容認で市議会野党抗議 石垣市長、本紙に明言(琉球新報 2023.2.14)
社説 防衛力首長アンケート 一致して外交努力求めよ(沖縄タイムス 2023.2.14)

2月15日(水) https://nomore-okinawasen.org/5816/

陸自搬入に機動隊要請 石垣配備 防衛相「安全に配慮」(琉球新報 2023.2.15)
新設弾薬庫70棟 防衛省 27年度までに全国に(琉球新報 2023.2.15)
トマホーク 一括購入 防衛相、23年度最大500発(琉球新報 2023.2.15)

2月16日(木) https://nomore-okinawasen.org/5844/

「心の戦争準備」危機感 千葉で三上智恵さん講演 千人を超える会場が満員 (琉球新報 2023.2.16)
日米訓練きょう開始 県内、下旬から離島奪還(琉球新報 2023.2.16)
「日米の同盟 攻めに変化」エマニュエル駐日大使(沖縄タイムス 2023.2.16)
武器使用緩和なし崩し 気球飛来一転「脅威」に(琉球新報 2023.2.16)
大分と青森に長距離弾 防衛省 宮古の可能性否定せず(沖縄タイムス 2023.2.16)

2月17日(金)https://nomore-okinawasen.org/5874/

「島々を戦場にするな!」緊急集会に寄せて 平良友里奈 世代超え想い一つに 大きな愛のエネルギーを(琉球新報 2023.2.17)
考 南西「有事」沖縄 台湾シンポジウム 有事回避が鍵(沖縄タイムス 2023.2.17) 
宜野座で初 日米上陸訓練 離島防衛想定 各地で来月5〜22日(沖縄タイムス 2023.2.17)
考 南西「有事」安保政策に疑問や懸念 衆院予算委の中央公聴会(沖縄タイムス 2023.2.17)

2月18日(土) https://nomore-okinawasen.org/5904/

陸自石垣駐屯地 来月に部隊発足 防衛局伝達 弾薬陸路で搬入(沖縄タイムス 2023.2.18)
ミサイル保管場所「未定」 防衛相 反撃能力の長射程弾(沖縄タイムス 2023.2.18)
離島奪還訓練 米が写真公開 ハンセンで日米共同(琉球新報 2023.2.18)

2月19日(日)https://nomore-okinawasen.org/5918/

論壇 与那覇恵子 沖縄を戦場にしないために 立場の違い超えて反対を(琉球新報 2023.2.19)
離島奪還訓練が本格化 日米 大分で演習 オスプレイも(琉球新報 2023.2.19)
大規模離島訓練 日米が本格展開 対中緊張招く恐れも(沖縄タイムス 2023.2.19)
自衛隊 南西シフトを問う〇16 尖閣国有化で大幅増 空自スクランブル 中国の動きと表裏一体(琉球新報 2023.2.19)
住民避難 能力拡大も 八重山3首長 有事で議論(沖縄タイムス 2023.2.19)
中国無人機に対処 空自南西航空方面隊・谷崎正仁司令官インタビュー 「領空侵犯させない」防衛強化「丁寧な説明必要」(琉球新報 2023.2.19)


新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 発起人)

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