メルマガ78号

今回は「南西諸島軍事強化トピック」です。毎日更新している沖縄「戦前新聞」の情報を当会発起人の新垣邦雄さんに解説していただいています。島々を戦場にするための演習、キーン・ソード23が終わったのもつかの間、11月28日から再び演習が始まりました。防衛費増額ありき、軍事強化一辺倒の中、対話、外交の道筋が見えない中、2022年もあと一か月あまりとなりました。この戦時体制まっしぐらの状況をしっかりと見据え、考え、行動するためにも、ぜひお読みください。


(以下再掲です。ご確認ください)
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南西諸島軍事強化トピック(11月21日~27日)

◇自衛隊車両載せ出港 日米演習 中城湾港の民間船 市民、訓練や港使用抗議(沖縄タイムス 2022.11.21)
日米演習の装備品撤収 中城湾港 市民団体が抗議集会 / ホワイトビーチ初の豪の艦船入港(琉球新報 2022.11.21)
◇与那国 再び日米訓練 28日から 指揮所演習、那覇でも / 日米演習の成果を強調 浜田防衛相(琉球新報 2022.11.23)
戦闘機 滑走路を走行 嘉手納基地で即応訓練(琉球新報 2022.11.23)

 沖縄を戦場と想定する実戦訓練「キーン・ソード23」日米共同統合演習が終わった。市民は自衛隊の装備品を撤収する沖縄本島・中城湾港で「もう戻って来るな」、地元うるま市島ぐるみ会議の照屋寛之共同代表は「中国と仲が悪いなら(首脳が)月に一回でも会えばいい」と声を上げた。緊張緩和、軍縮の話し合いもないまま沖縄列島のミサイル要塞化、日米の演習が激化する。キーン・ソード終了も束の間、「与那国、那覇で 再び日米訓練 指揮所演習 28日から」の報道。浜田防衛相は日米演習の成果を「日米共同対処を訓練し、相互運用性の向上を図ることができた」とコメント。「有事には日米一体で戦う」、戦争準備の意思表明にほかならない。

嘉手納で「即応訓練」
 嘉手納基地で「即応訓練」。滑走路を埋めるヘリや数十の戦闘機。滑走路を走行し、F15など戦闘機が次々と離陸した。琉球新報掲載の写真は「嘉手納基地提供」。「キーン・ソード」演習もそうであったが、自衛隊、米軍は包み隠さず積極的に訓練を「公開」している。危機感を煽り、県民を慣らす示威行動ともとれる。有事「即応訓練」、これを安心と受け止めるか、戦争準備と反対するか、県民の意識も問われている。

◇嘉手納基地「生き残れぬ」 F22巡回 脆弱性対策と指摘(琉球新報 2022.11.21)
◇社説 ミサイル要塞化 危うい軍備への急傾斜(沖縄タイムス 2022.11.22)

 「嘉手納基地 生き残れぬ」(21日新報)。米政府元高官、「沖縄の基地は中国との戦争で生き残ることはできない」(星条旗新聞)の見解を報じた。中国に「近すぎる」在沖基地の「脆弱性」はかねて米軍、シンクタンクが指摘している。ランド研究所、その名も「アジアの米軍基地に対する中国の攻撃」報告(2015年)は、「2010年に中国は嘉手納基地攻撃で飛行場を10日間閉鎖」、増強する中国軍が米軍より優位に立つ「2017年には16日~47日閉鎖させることができる」と記している。

「第一列島線 生き残るものなし」
 新報記事は元国務次官補の「中国との紛争で第一列島線、特に嘉手納に生き残れるものは何もないという現実に米空軍が対処しようとしている」のコメントも載せた。空軍が嘉手納基地に常駐するF15を撤退させ、F22戦闘機を「巡回配備」する狙いをそう説明する。
 米国は「中国との戦争で第一列島線、嘉手納に生き残るものはない」と見ているのである。だから米軍の重要な資産であるF15を嘉手納意外に移して「保全」し、中国との戦争では必要に応じ、最精鋭のステルス戦闘機F22を「巡回」投入する腹積もりなのだ。

 野添文彬沖国大準教授は、海兵隊が島嶼に分散展開する遠征前方基地作戦(EABO」に言及し、「空軍も固定的な基地に頼らない方向性を模索」と解説している。
 つまり「中国に近くて脆弱な沖縄」から米空軍、海兵隊も引き、日本の自衛隊に最前線の沖縄列島にミサイル基地を敷かせて中国との戦争の主任務を背負わせ、米軍は最小限の支援に回ろうという魂胆だろう。

「日本有事」戦うのは自衛隊
 「台湾有事は日本有事」(安倍元首相)と日本の政治家が言い切るとき、中国との戦争の主体を担うのは日本という見方が当然成り立つだろう。太平洋のはるか彼方の戦争は、直接に米本国の安全を脅かすものではない。米中核戦争に陥らない「地域限定戦争」に留めたいのが米国の本音ではないか。
 日本本土や米国に出血を強いない「地域限定戦争」に収めたいのが日米政府の腹積もりかもしれない。沖縄にとっては大迷惑だ。「第一列島線に生き残るものはない」と米高官が想定する戦争に巻き込まれるのは真っ平ごめんだ。

◇防衛力強化「増税で」有識者会議 反撃・継戦能力明記 「法人増税」盛らず(琉球新報 2022.11.23)
◇「軍拡路線」に危機感 防衛強化で「増税」 県民「生活苦しく」 (琉球新報 2022.11.23)
◇防衛力強化 前のめり 委員偏り 結論ありきか 周辺国 刺激恐れも(琉球新報 2022.11.23)
◇社説  防衛力強化報告書 国民議論は置き去りか(沖縄タイムス 2022.11.24)
◇社説 議論を尽くしていない (琉球新報 2022.11.24)

議論なき戦争準備
 「防衛強化前のめり」「委員偏り 結論ありき」。琉球新報は防衛強化有識者会議の報告を1面、2面、社会面に大きく展開。両紙社説も「国民議論置き去り」、「議論尽くしていない」と厳しく批判した。「敵基地攻撃能力保有」「継戦能力強化」が明記され、年末の防衛3文書改定、防衛予算は軍事大国化、中国との戦争準備の歴史的転換点となろう。

 中国に届く長射程化ミサイルの大量生産、南西諸島への大量配備は緊張をいたずらに高める。「継戦能力の強化」は何年もの戦争を想定してのことか。22日タイムス社説は「米軍は地上配備型中距離ミサイル網を計画」に言及した。射程5500キロ、北京にも届く。米エスパー前国防長官は中距離ミサイル配備を表明した際に「核搭載ではない通常ミサイル」とことさらに強調した。中国(北朝鮮)が素直にそう受け取るだろうか。

「出口戦略」なし
 テレビや新聞で「戦争も辞さない」とばかりの防衛強化論を目にするが、「出口戦略」の話をとんと聞かない。去る大戦の「失敗の本質」は「軍部の暴走」、「兵站の無視」、「無責任」、「出口戦略(戦争の終わり方)なし」などが挙げられるが、すべて今の状況に当てはまらないか。沖縄からは「住民の命の軽視」を指摘しよう。
 核、ミサイル大国の中国との戦争がいったん始まれば未曾有の事態となろう。沖縄だけで犠牲は収まるか。日清、満州、日中戦争と中国の積年の怨みは深い。在日の方から「今度やられたら百倍返し」の声を聞いた。中国が先行する「極超音速ミサイル」も開発するという。変則飛行、防御不能ミサイルを撃ち合い、果ては核に至る相互絶滅に陥らないか。就任以降、習近平氏と「電話会談1回だけ」の岸田首相に、「もうやめよう」の出口対話を託せるだろうか。米軍が火を付け、自衛隊が「自動参戦」、気が付けば米軍は後方に引き、終わりのないミサイル戦争を何年も続ける。「出口戦略」なき政治、防衛省の暴走は危うい。
 
11月21日(月) http://nomore-okinawasen.org/3906/

自衛隊車両載せ出港 日米演習 中城湾港の民間船 市民、訓練や港使用抗議(沖縄タイムス 2022.11.21)
日米演習の装備品撤収 中城湾港 市民団体が抗議集会 / ホワイトビーチ初の豪の艦船入港(琉球新報 2022.11.21)
自衛隊への対応 県に課題 地元自治体と認識に差も(沖縄タイムス 2011.11.21)
基地集中 問われる抑止力 戦闘機、ローテーションに転換 米軍の対中戦略 日本政府は常駐望む(琉球新報 2022.11.21)
嘉手納基地「生き残れぬ」 F22巡回 脆弱性対策と指摘(琉球新報 2022.11.21)
米無人機「ごう音なし」ならいいの 海自鹿屋基地で試験飛行 「米軍基地化」「他国の標的に」懸念(琉球新報 2022.11.21)
社説 「平和国家」の国是守れ(琉球新報 2022.11.21)

11月22日(火)http://nomore-okinawasen.org/3929/

米豪に「武器等防護」 海自3カ国訓練で初実施(琉球新報 2022.11.22)
社説 ミサイル要塞化 危うい軍備への急傾斜(沖縄タイムス 2022.11.22)
「防衛強化」きょう提言 有識者会議 法人増税 明記見送り(琉球新報 2022.11.22)

11月23日(水)http://nomore-okinawasen.org/3939/

与那国 再び日米訓練 28日から 指揮所演習、那覇でも / 日米演習の成果を強調 浜田防衛相(琉球新報 2022.11.23)
防衛力強化「増税で」有識者会議 反撃・継戦能力明記 「法人増税」盛らず(琉球新報 2022.11.23)
「軍拡路線」に危機感 防衛強化で「増税」 県民「生活苦しく」 (琉球新報 2022.11.23)
防衛力強化 前のめり 委員偏り 結論ありきか 周辺国 刺激恐れも(琉球新報 2022.11.23)
反撃力対象は「軍事目標」 政府内浮上 自公議論へ(沖縄タイムス 2022.11.23)
反撃力 公明に慎重論も 国防に研究巻き込みか(琉球新報 2022.11.23)
自衛隊取材妨害 新聞労連が抗議 「表現に自由尊重を」 / 米原潜が寄港 ホワイトビーチ / 軍用機低空飛行 座間味村で確認(琉球新報 2022.11.23)
戦闘機 滑走路を走行 嘉手納基地で即応訓練(琉球新報 2022.11.23)
日中衝突回避へ 海洋実務者協議 ホットライン運用調整(沖縄タイムス 2022.11.23)

11月24日(木) http://nomore-okinawasen.org/3962/

社説  防衛力強化報告書 国民議論は置き去りか(沖縄タイムス 2022.11.24)
社説 議論を尽くしていない (琉球新報 2022.11.24)
サイバー防御 司令任命へ 政府 新組織、自衛隊や警察統括(琉球新報 2022.11.24)
尖閣情報「見極め必要」 都内で佐藤、泉川さんら講演(2022.11.24)

11月25日(金)http://nomore-okinawasen.org/3976/

防衛省、攻撃被害答えず 市民の質問、「仮定」理由に 石垣陸自ミサイル配備(琉球新報 2022.11.25)
自衛隊那覇病院 建て替えを検討 有事の治療強化図る(沖縄タイムス 2022.11.25)
防衛費5年以内 GDP比2%へ 自民予算大綱案(琉球新報 2022.11.25)
日米首脳、1月会談 岸田氏初訪問 防衛強化を伝達(琉球新報 2022.11.25)
最高裁 辺野古却下か 国裁決取り消し 来月8日判決 弁論開かず(琉球新報 2022.11.25)
米軍、対中で再び利用へ フィリピン・スービック基地返還30年 国際商業港から戦略要衝に(琉球新報 2022.11.25)
福建と祝う 友好25周年 県、きょう福州園で式典(沖縄タイムス 2022.11.25)

11月26日(土)http://nomore-okinawasen.org/3991/
日米共同で敵基地攻撃 対象に拡大解釈余地 政府方針 全容解明(琉球新報 2022.11.26)
保有や対象、曖昧決着懸念 反撃能力議論本格化 先制攻撃の歯止め必要(琉球新報 2022.11.25)
空港や港 防衛利用懸念 知事「民間利用あってはならぬ」(琉球新報 2022.11.26)
民間施設使用に不快感 日米演習 知事「県民に不安」 影響「最小限」求める(沖縄タイムス 2022.11.26)
比に戦闘機派遣へ 部隊間交流 自衛隊が戦後初 (沖縄タイムス 2022.11.26)
中国 情報戦を活発化 防衛研究所リポート公表 宣伝工作や偽情報も(沖縄タイムス 2022.11.26)

11月27日(日) http://nomore-okinawasen.org/4010/ 

陸自と英陸軍 離島防衛訓練 安保協力アピール(沖縄タイムス 2022.11.27)
空自の展示飛行 宮古で抗議集会 県が空港使用調整(沖縄タイムス 2022.11.27)
反権力人権賞にオバーたちの会 石垣で陸自配備計画反対(琉球新報 2022.11.27)
反撃能力の保有明記 国民 独自の安保政策案(沖縄タイムス 2022.11.27)
社説 軍備より社会保障優先を(琉球新報 2022.11.27)


文責:新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 発起人)

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