県議会議長への要請書

沖縄県議会議長 赤嶺昇殿

沖縄を再び戦場にさせないための要請書      

2022年2月14日

「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」

 共同代表 石原昌家 具志堅隆松 ダグラス・ラミス 宮城晴美 山城博治(50音順)   

 県議会議長の職務にご精励のことと存じます。県民の生命、安全に関わる「台湾有事」「尖閣有事」の問題が県民の危機感を高めています。昨年12月24日の共同通信配信記事は「米軍、台湾有事で展開」「南西諸島に攻撃拠点」「日米共同作戦計画原案策定」「住民巻き添えの可能性」と報じました。1月7日の日米2プラス2(外務・防衛閣僚協議委員会)共同文書は、中国の台湾海峡における「安定を損なう行動を抑止し対処する」とし、そのために「南西諸島の自衛隊態勢を強化、日米の施設の共同使用を増やす」と言明しました。日米の「共同計画作業の進展を歓迎する」とも言及しています。

 台湾有事について軍事専門家は「米軍が関与すれば在沖基地が最初の標的になる」(我部政明琉大名誉教授)、自衛隊が関与すれば「日本が巻き込まれる」と指摘しています。南西諸島の「日米の施設の共同使用」について軍事ジャーナリストの小西誠氏は「米軍が『遠征前方基地作戦(EABO)』で琉球列島の島々を使用し、そのために石垣島・宮古島の既存の(自衛隊)ミサイル基地を使用することを明確にした。また、米軍の中距離ミサイルートマホークを琉球列島に常駐基地として配備するもの」と指摘しています。

 有事において自国を攻撃する敵基地を攻撃するのは軍事の常識です。台湾有事に米軍・自衛隊が関与すれば、沖縄・琉球弧の島々がミサイル戦争の戦場となりかねません。

 日米2プラス2共同文書は、台湾有事、尖閣有事への日米の防衛強化を強調する一方、沖縄・琉球弧の島々の住民の生命の安全確保についてはひと言も触れていません。逃げ場のない島がミサイル戦争の戦場となれば住民の避難は不可能です。沖縄は沖縄戦以上の絶滅戦争の惨禍を免れません。140万余県民の生命の安全、存亡にかかわる「日米共同作戦計画原案」、「南西諸島の攻撃拠点」化、「日米施設の共同使用」ほか2プラス2合意の重要事項について政府は県民、国民に一切、説明を行っていません。

 沖縄を二度と戦場にしないこと、県民の命を守ることは沖縄県、県知事、政治家の重要な責務です。選挙で選ばれ県民の付託を受け県民を代表する貴職県議会議長、県議会議員の皆さまに以下の行動を切実に要請いたします。

一、沖縄を戦場・攻撃拠点とする2プラス2合意に反対し合意の破棄を求め、日米合同作戦計画の策定中止を表明すること。

二、沖縄の島々の自衛隊ミサイル部隊配備、及び日米の施設の共同使用に反対を表明すること。米軍の中距離ミサイルほか、各種の新たなミサイル配備に反対すること。ミサイル他の新兵器開発、宇宙・サイバーなど新領域の軍拡に反対すること。

三、上記事項について日米両政府に反対の意向を伝え、中止させる行動を行うこと。

四、政府、防衛省に「日米共同作戦計画」ほか2プラス2等、関係する日米の協議内容一切について詳細な説明、情報開示を求めること。

五、台湾有事、尖閣有事について武力によらない対話による平和的解決を日米両政府、中国政府に要請し、ならびに国連、国際社会に働きかけること。

 県議会議長要請への出席者

「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」共同代表

石原昌家

具志堅隆松

ダグラス・ラミス

宮城晴美

山城博治

三上智恵ほか事務局

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