防衛省は12月22日、陸自大分分屯地への新たな大型ミサイル弾薬庫7棟の建設計画を発表しました。同分屯地では市民の反対を押し切り、長射程ミサイル弾薬庫2棟の建設が強行されたばかりであり、計9棟のミサイル弾薬庫が建設されることになります。「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」は28日、緊急抗議声明を発表しました。市民の会は、「住宅密集地へのミサイル保管庫建設」による不測の事態、「有事の際に攻撃対象」となる危険性を指摘し、「建設計画の中止」を訴えています。沖縄だけでなく、大分・九州、全国の軍備強化、戦争準備が急速に進んでいます。全国の有志、団体が連帯し、「戦争をする国」への動きに反対の声を上げましょう。
同市民の会からのメールをメルマガで紹介します。ぜひお読みください。
「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」緊急抗議声明【要旨】
大分の状況にご関心を寄せていただいている皆さんへ
本日(12月28日)午後1時より、記者会見を行い、添付の緊急抗議声明を発表しました。
https://youtu.be/0TjkUzrS3rY?si=79oYKdNrYgnNvdoT
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20231228/5070017543.html
以下、「緊急抗議声明」要旨です。
緊急抗議声明【要旨】
弾薬庫9棟建設計画に強く抗議し、その中止を求める
陸上自衛隊大分分屯地における計9棟の弾薬庫計画に満腔の怒りを持って抗議する。
一、弾薬庫建設に強く抗議する。徹底した国会審議を行い、建設を中止せよ。
一、住宅地における弾薬庫建設は国際人道法に反する。政府は自国民保護の義務を守れ。
一、 私たちを戦争に巻き込むな。軍民分離原則に則れ。
一、地方自治体・首長は、地方自治の本分を自覚し住民を守れ。あらためて住民説明会を開催せよ。
2月に発表された陸上自衛隊大分分屯地における弾薬庫2棟の増設計画に加え、7棟のさらなる増設計画が明らかになった。このことは、11月2日の地元住民説明会で、全く触れられていない。いったいどこに「丁寧な説明」があったというのか。九州防衛局の卑劣さは住民を愚弄するものであり、到底許されるものではない。住民無視の乱暴な強行に対して強く抗議するとともに、国会での徹底審議と弾薬庫建設の中止を強く求める。
私たちは、かねてより住宅密集地に外国直接攻撃ミサイルの保管庫を建設することの危険性を指摘し、建設の中止を求めてきた。不測の事態によるものだけでなく、有事の際に攻撃対象となり、弾薬庫そのものが爆発炎上する危険や、周辺の住宅・学校・病院・道路への被害が想定されるからである。これは周辺住民のみならず、この国に住まう市民の全てが認識していることである。
有事における危険を回避し、市民の生命・財産を守る方策として、ジュネーブ条約の第一追加議定書第58条は、軍民分離の原則から、(a)住民の避難の措置、(b)人口密集地やその周辺に攻撃目標となる施設などを置かない措置、(c)その他の必要な措置、を講ずるよう、各国政府に対し自国民を保護する最大限の努力をすることを求めている。紛争開始時に弾薬庫のような施設を移動させることはできない。それゆえ、移動困難な恒久的施設は、平和時から住民の居住地域に建設すべきでないことは自明である。赤十字国際委員会も、同条(b)項に関する解説の中で、平時において弾薬庫等の恒久的軍事施設を人口密集地やその近辺に建設すべきでないと述べている。日本は同議定書を批准しており、その発効により、政府はその順守義務を負っている。国は、2004年に国民保護法を制定し、避難計画の作成を行い、最近では大分県などに対し南西諸島住民の避難計画への協力の要請などを行なってきているが、ここで言う避難も、それ自体が市民生活を壊すものであり、「なぜ避難しなければならないのか」という悲痛な問いに答えてはいない。つまり、(b)項に関する義務を果たしているとは言えない。さらに、避難は有事を想定するということであり、これまで国が説明してきた「抑止力を強化することで敵の攻撃を防ぐことができる」という論理の破綻をも意味する。政府が「防衛」の名の下に進めている大軍拡は、憲法の平和主義に反するものであり、住民の生命・財産、平和的生存権を脅かしている。
1999年の改正地方自治法で、国と地方の関係は「上下」ではなく「対等」になっている。弾薬庫はいらない、という住民の切実な声に応え、大分県知事や各市町村長は、国にその政策の是正を求めよ。国におもねるな。住民を守れ。
住民は不安とともに、ますます怒りを募らせている。
2023年12月28日
大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会