メルマガ137号

今回のメルマガは本会発起人の新垣邦雄さんからの寄稿です。10日開催のウォルデン・ベローさんの講演会開催にあたり、沖縄、フィリピンの軍事拠点化の歴史と現在についてふれ、双方が連帯して反対していくことを提起しています。ぜひお読みください。

軍備強化に反対する沖縄・フィリピン 連帯して反戦反基地の声上げよう

米軍が「台湾有事」に備えフィリピンの基地を使用する動きにフィリピン市民が猛反発している。5月24日朝日新聞朝刊は「台湾まで400キロ 基地の町動揺」の見出しで、フィリピン北端カガヤン州で「数千人が反対集会に参加」と伝えた。一般社団法人ピープルズ・プラン研究所のフィリピン報告書によると多くの市民、学生、労働者、漁民が米軍事拠点化に反対する集会、デモを繰り広げているという。沖縄だけでなくフィリピン民衆も「台湾有事」をにらむ軍備強化に反対の声を上げているのだ。
 共同通信も3月24日、カガヤン州知事が「中国の猛反発は必至。戦火に巻き込まれかねないと基地使用に反対」と報じた。同知事は「太平洋戦時に米軍がフィリピンに基地を置いていたため日本軍に攻められた」とし、再び戦場となることを危惧している。「軍隊は住民を守らない」「軍事基地は標的になる」という沖縄戦の教訓に通じる。
 米国は世界各地に数百の海外基地を置いている。第二次大戦後の世界軍事戦略で米軍は、沖縄、フィリピンを「戦略的要衝」の「最重要基地」とした(林博史『米軍基地の歴史』)。沖縄、フィリピンの米軍基地は朝鮮、ベトナム、湾岸戦争の出撃基地となった。フィリピンは1986年に憲法で「外国軍の撤退」「核兵器禁止」を決め、92年に米軍駐留協定を国会が否決し、米軍を撤退させた。一方、米軍基地が存続する沖縄では、その後もアフガン、イラク戦争などへの米軍出動が続いている。
 今再び「台湾有事」で「中国から台湾を守る」ために、米国はフィリピンの基地使用を迫り、沖縄では日米のミサイル要塞化が進んでいる。沖縄、フィリピンが連帯して「軍事拠点化に反対」の声を上げることを提起したい。
 フィリピンでは米軍撤退後、クラーク、スービック米軍基地跡地の振興開発が目覚ましい。沖縄では大田昌秀県政が全基地撤去の振興開発「基地返還アクションプログラム」を打ち出したが、日米政府に踏みにじられ幻と消えた。フィリピンがかなえた「脱基地経済振興」を沖縄はなぜ達成できないのか。フィリピンに学ぶべきことは多い。
 著名なフィリピン人学者で反戦平和活動家、ウォルデン・ベロー氏講演会「沖縄とフィリピン:アメリカ新冷戦の最前線」を6月10日(土)午後1時~4時、那覇市西の「てぃるる」ホールで開催する。屋良朝博前衆院議員が「沖縄はなぜ基地返還跡利用ができないか」、沖縄女性史研究家の宮城晴美氏が「米軍基地の性被害・人権問題」をコメントする。入場無料。問い合わせ、090-2716ー6686(新垣)

新垣邦雄(当会発起人)

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