メルマガ201号

今回のメルマガは「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」運営委員の池田年宏さんからの寄稿です。池田さんは陸自大分分屯地への長射程ミサイル弾薬庫の建設に反対し、ガザの惨状を沖縄と大分、日本の近未来の姿に重ねつつ、全国を巻き込む日米政府の「戦争準備」を憂えて、ガザの戦闘を止め、「私たちは加害者にも被害者にもなりたくない」と反戦平和の願いをつづっています。池田さんは街宣カーで、メッセージを発信しています。沖縄も日本も戦場にしない。世界から戦争をなくす。その思いを共有しましょう。ぜひお読みください。

大分からの反戦平和メッセージ

イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃により、今、この時も多くの命が奪われています。学校であろうが病院であろうが爆撃を行い、有り余る武力攻撃で、多くの子どもたちを含む2万人以上の民間人が殺されています。イスラエルには、パレスチナへの攻撃をやめ、共存の道に進むことを強く求めます。それを促さない日本政府に不甲斐なさを感じます。
パレスチナの惨状を見るにつけ、日本の加害の歴史が思い起こされます。太平洋戦争を含む15年戦争において、日本は中国をはじめとするアジア太平洋地域で2000万人もの人々を殺しました。私たちは加害者にも、被害者にもなりたくありません。戦争の準備などしてはなりません。
さて、ここ大分敷戸に保管される長射程ミサイルは、湯布院や沖縄に運び出され、他国攻撃に使われることになります。当然、ここは攻撃目標となるでしょう。同時に、その時には、日本全国の土地・経済・暮らしが「戦場」になっていることを意味します。日米合同軍事演習では、大分と沖縄を結ぶ移動訓練も実施されています。アメリカの手先になり、全国を巻き込む戦争体制が作られようとしているのです。
ガザではミサイルの砲弾がさく裂し、沖縄では戦闘機の爆音が轟き、できもしない基地建設のために美しい海が埋め立てられ、島々にミサイル基地や弾薬庫が次々に整備され、ここ大分でも敵地攻撃能力を備えたミサイル弾薬庫の建設が始まっています。2月に発表された2棟に加え、さらに7棟の大型弾薬庫の建設が発表されました。大分敷戸ミサイル弾薬庫建設、湯布院のミサイル連隊配備、航空自衛隊築城基地のアメリカ軍使用、日出生台演習場での軍事訓練、大分大在埠頭や大分空港の軍事使用など、すべての軍事行動が、私たち住民・市民の平和に生きる権利を脅かし、奪っています。大分県や大分市をはじめとする各自治体の役割は、国に追従し軍拡の後押しをすることではありません。住民の生命と財産を守ることです。ここ大分の地で行われている各種軍事訓練では民間施設や道路が使用されていますが、これは「軍事施設と民間施設は、その運用を含めて明確に分けられなければならない」とするジュネーブ条約の軍民分離の原則に反します。たとえ戦争好きな者たちが起こす有事の際も、民間人の犠牲は避けなければならないという、これまでの反省から生み出された、人類・市民の「智恵」です。戦時下であれば何をしても許されるというものではないのです。だからこそ、イスラエルによるパレスチナ人への無差別攻撃が非難され、国際的にも信用をなくしているではありませんか。しかし、軍隊が使用する施設は軍事施設とみなされ、狙われます。自衛隊が民間の大分空港や大在埠頭を使用すれば、当然、攻撃対象になります。軍隊と住民が一緒になって闘い、多くの犠牲を出した沖縄戦を思い起こしましょう。
私たちの国には、戦争は絶対にしない、と宣言する世界に誇る平和憲法があります。教育で軍国少年少女に仕立て上げられ、戦場で心を病み、家族を戦争で失い、生活を奪われた市民は、この憲法を心から歓迎しました。世界各地で起きている武力行使のすべてに、自信をもって反対しましょう。子どもたちにその姿を見せようではありませんか。軍拡を進めたり、武器の開発や輸出などをしたりする政治を戒め、教育・福祉・医療・介護の充実など、暮らしを豊かにする、平和のための政策をこそ求めましょう。国内だけでなく、他の国々と協力してそれを進めていけば、日本は世界各国から信頼を受け、よもや攻撃対象になることはないでしょう。しかし、軍拡を進め、基地整備や軍事演習を繰り返せば、とりわけアジア諸国から危険な国だと見なされ、信頼を得ることなどできはしません。政治家たちにその力がないのなら、私たち市民が声を上げていくしかありません。懐に金を貯え、有事の際、前線に行くこともないのに、争うことを強いる政治家たちに、あるべき仕組みを示して差しあげましょう。
「戦争が廊下の奥に立っていた」という渡辺白泉の詩があります。今、私たちはうたいます。「戦争の火の粉がほほにかかりきた」と。
寒くなりました。ガザに暮らす人々に思いを馳せましょう。家を破壊され、飲み水も絶たれ、寝る場所も、ケガをした子どもを治療する病院も爆撃を受けています。市民の皆さんに訴えます。「弾薬庫などいらない」と、戦争に反対する声をあげ、ささいなことからでも平和のための行動を始めていきましょう。一人の行動が世界を変えることはないかもしれませんが、平和を愛する一人ひとりの絶えまない声は、きっと戦争を止め、平和で穏やかな暮らしをもたらすことになります。
皆様にとって良い年末年始になりますように。一日も早く、戦火がやみますように。そして、ふるさと大分が戦争協力などすることがありませんように。

池田年宏(「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」運営委員)

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