メルマガ176号

今回のメルマガは当会事務局長の新垣邦雄さんから寄せていただきました。みなさんにもホームページ、メルマガでお知らせしていました沖縄市での「戦争準備の日米合同訓練反対!弾薬庫建設・ミサイル配備ゆるさない市民集会」は1000人の参加を集めました。平日の夕方にこれだけの数が集まることはなかなかなく、第二の沖縄戦を拒否し、島々を戦場にさせないという思いが日に日に増している証拠だといえます。集会でのアピール、市民の声、熱気あふれる会場での様子と合わせ、今回の集会の意義と今後の展望を示した本稿をぜひお読みください。

嘉手納基地へ1000人デモ コザ暴動以来の反戦行動

米軍嘉手納基地に向かうデモ行進の1000人が「二度と沖縄を戦場にしてはならない」とこぶしを突き上げた。筆者だけでなく参加した多くの市民が1970年のコザ暴動を思い返したことだろう。コザ暴動は嘉手納基地に向かった民衆の一部が基地ゲートを突破し、基地内に踏み込んだ。嘉手納爆音訴訟の新川秀清原告団長は「あの時と同じ。県民の怒りは爆発寸前だ。沖縄を二度と戦場にさせない。団結しよう」と不退転の決意を訴えた。

 昨日10月12日、嘉手納基地メインゲート(第2ゲート)前の沖縄市胡屋十字路で、日米合同訓練「レゾリュート・ドラゴン」の中止、陸自ミサイル部隊配備(うるま市)・ミサイル弾薬庫建設(沖縄市)に反対する市民集会が開かれた。地元だけでなく県内各地から多くの人々、市民団体、国会議員、県議らが駆けつけた。

 集会は熱気にあふれた。1000人の参加数をどう見るか。急ごしらえ、平日午後の開催にも関わらずである。沖縄でこの種集会は、人口の多い那覇市、県庁前の開催が多い。動員力の弱い中部地区、沖縄市でこの参加数は十分、成功と評価していい。今後、基地の重大事故、事件、看過できない戦争準備の動きによって、万人単位の決起集会になりうると予感した。
 
 今回の集会の大きな特徴は、弾薬庫建設に反対する「沖縄市民の会」、陸自ミサイル部隊配備に反対する「うるま市民の会」が中心を担ったことだ。これまで沖縄の基地問題に対する反対行動は「沖縄平和市民連絡会」「平和運動センター」など那覇市を拠点とする団体がけん引してきたが、中部地区2市の「市民の会」が新たな結集軸となった意義は大きい。
 
 集会実行委員会は沖縄、うるま、両市民の会ほか、嘉手納爆音、普天間爆音訴訟団、中部地区労など12団体が名を連ねた。両爆音訴訟団が参画した意義も大きい。「騒音や夜間、危険な軍用機の飛行も問題だが、日米の戦争準備は住民の命に直結する重大問題」(新川嘉手納爆音訴訟団長)と全面的に賛同した。嘉手納の原告数3万5千人、普天間5000人。市民を巻き込む運動の広がりによっては、かつての「嘉手納基地包囲」、「普天間基地包囲」の大規模大衆行動に繋がる可能性がある。
 
 今回、沖縄、うるまの「市民の会」が集会を提起した。日米合同訓練「レゾリュート・ドラゴン」は過去最大規模、「米軍と自衛隊が一体化」し、「台湾有事に対処する実戦訓練」と指摘されている。「米軍ホワイトビーチから嘉手納基地へ公道を通って物資を運び、オズプレイで奄美に空輸する」訓練など、沖縄島(本島)中部地区に訓練が集中している。「台湾有事」が現実となれば、沖縄、うるま市が戦場になりかねない」という強い危機感が両市民の会を突き動かした。

 胡屋十字路集会は国会議員や県議団代表が連帯あいさつ。沖縄戦の記憶と重ね「軍隊は住民を守らない。軍隊がいるところが戦場になる」という米軍、自衛隊への忌避感、「与那国に軍用新港。与那国、石垣の空港滑走路の延長」など「沖縄全体で戦争準備が進んでいる」という危機感の訴えが続いた。

 市民代表、また母親としてマイクを握った沖縄市の宜寿次政江さん(46)は、「祖母などから悲惨な沖縄戦の話を聞いてきた。まさか次の沖縄戦を心配することになるとは。小学6年生の娘がいる。胸が張り裂けるように苦しい。沖縄市長、国会議員、議員のみなさん。戦争をさせないで」と訴えた。

 胡屋十字路の集会とは別に開かれた沖縄市役所前の集会では、ミサイル弾薬庫の建設を容認し、米軍無人機の嘉手納基地配備を「歓迎する」と受け入れ表明した桑江朝千代市長に対し、「市民の命を守るのが市長の使命。弾薬庫建設。嘉手納基地の軍事強化に反対して」と糾弾する声が相次いだ。

 集会の声、市民の訴えは、集会宣言にある「二度と沖縄を戦場にしてはならない。子や孫のためにも、二度と沖縄を戦場にしてはならない」という訴えに集約される。当たり前の正当な訴えだ。市民の訴えは桑江市長、岸田首相、日米政府、嘉手納基地に届くだろうか。11月23日には那覇市で「県民の会」主催の「県民大集会」も開かれる。県民の心の叫びを踏みにじり、戦争準備が進むとしたら、第二、第三の大規模集会、県民行動が波状的に続いていくことだろう。

新垣邦雄(当会事務局長)

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