戦争準備を止める「全国ネットワーク」との交流の輪が少しずつ大きくなり、各地域で軍事強化に対するノーの声を上げる動きが広がっています。当会では6月1日、2日の両日、那覇市安里公民館で「ミサイル要塞化写真展」を開催し、現実に起きているミサイル要塞化について知り、考え、行動する機会を設けます。本稿をぜひお読みいただき、ぜひ会場へお越しください。
「知る、つながる、止める」 国内連帯で戦争準備「NO」
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会は、「ノーモア沖縄戦 えひめの会」や大分の「敷戸ミサイル弾薬庫建設を考える会」などと戦争準備を止める「全国ネットワーク化」を進めている。
防衛省は中国に届く長射程ミサイルの開発と大量生産に着手し、全国に130の弾薬庫建設を計画する。陸自大分分屯地に9棟のミサイル弾薬庫、京都の陸自祝園(ほうぞの)弾薬庫にも8棟。鹿児島、熊本、宮崎にも計画する。大分には長射程ミサイル本部、広島呉の大規模な複合軍港化、米軍「横浜ノースドッグ」への揚陸艦部隊配備。空港・港湾の軍事化「特定利用」を指定した。台湾有事となれば、各地からミサイル弾薬、日米の兵員を最前線の沖縄に送り込む臨戦態勢を急いでいる。
反対する市民組織の結成が全国で相次いでいる。もはや沖縄だけの問題でなく、共通するのは「軍事施設は攻撃目標となる」「住宅密集地に軍事施設は許されない」という現実味を帯びる戦争への切実な危機感だ。「各地の運動がバラバラでは止められない」という共通認識から、「全国ネットワーク化」が動き出した。
「えひめの会」高井弘之さんが提案した「知る、つながる、止める」がキャッチフレーズだ。全国の戦争準備の情報をリアルタイムで共有する。戦争準備を「知り」、各地が「つながり」、「止める」ために共同行動を起こす。日米政府の強大な力に対抗するには、全国の反対運動が一つになる「国内連帯」が不可欠だ。
ノーモア沖縄戦の会は「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会」と共催し「ミサイル要塞化写真展」を市内公民館で16回開催した。参観者は「知らなかった」と驚き、「ミサイル配備に反対」と声をそろえる。まずは「知る」こと。そして「反対」の声を上げる。県内各地の「ミサイル展」開催を呼びかけている。
琉球弧の「ミサイル要塞化」の写真資料を展示する。復帰前の沖縄に配備された1300発もの核兵器。メースB核ミサイルは北京、上海など中国主要都市を狙っていた。「核抜き、本土並み」を偽る日米首脳の「核密約」。歴史は繰り返し、今また沖縄に中国にも届く敵基地攻撃用の長射程ミサイルが配備されようとしている。県民が知るべきことは多い。
6月1日(土)、2日(日)、那覇市の安里第一公民館で「ミサイル要塞化写真展」を開催する。午前10時~午後5時。無料。1日午後1時から2時、ガマフヤー具志堅隆松氏と筆者が対談する。問い合わせは電話、090-2716-6686(新垣)、090-7450-6941(具志堅)
新垣邦雄 (ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会事務局長)
※本稿は新垣邦雄さんのご承諾を得て、2024年5月23日に掲載された琉球新報論壇を転載配信したものです。