メルマガ126号

今回は具志堅正己さんからの寄稿です。具志堅さんは、これから軍事強化がすすめられようとしている地元自治体の首長が「防衛と外交は国の専権事項だ」と全く自らの責任を放棄する姿勢を厳しく追及し、地域の首長こそが憲法を守り、住民の命と生活を守らなければならないと指摘しています。そして「以民促官(いみんそくかん)」(民の声が政治を動かす)という中国の言葉を取り上げ、一人ひとりが「沖縄を再び戦場にしない」の声をあげよう、という具志堅さんのメッセージは強く心に響きます。ぜひお読みいただき、5月21日(日)の平和集会にご参加下さい。詳しくはこちらをご覧ください。よろしくお願いします。
https://nomore-okinawasen.org/8012/

防衛・外交は国の専権事項か 「沖縄戦場にするな」の声を

琉球弧(南西諸島)での自衛隊の配備・強化(ミサイル基地化)がどうにも止まらない。それどころか、昨年末の敵基地攻撃能力の保持を明示した安保3文書の閣議決定以来、ギアチェンジして加速している。
 本紙(4・12)によると、県内の米軍専用施設と自衛隊施設を単純合計した総面積は2019年以降、3年連続で増加。最新の21年は米軍専用施設が復帰前と比べると3割以上減ったが、自衛隊施設は復帰時から4・6倍に拡大している。日本政府関係者が、口裏を合わせたように言う「沖縄の基地負担軽減」が、画餅に過ぎないことを数字が示している。
 このような状況に対して、地元市町村の首長が、これまた口裏を合わせたように「防衛と外交は国の専管事項だ」と言う。住民の命と暮らしを守ることが第一義であるはずの首長が、昔流行った木枯し紋次郎のように「あっしには関わりのねえことで」と言っていいのかと疑問だった。
 この疑問に明確に答えてくれたのが、本紙(4・4)の「自衛隊南西シフトを問う」の飯島滋明名古屋学院大教授の指摘だった。〈防衛と外交は国の専管事項は、憲法に照らせば正しくない。地方には国の暴走を防ぐ役割がある。国際法上も国家に限らず、地方自治体が外交の主体となることができると考えられている。首長は憲法上、特に地域住民の命や暮らしを守る責任を有する。空港や港湾、道路が軍事目的に使われる場合は拒否できる。憲法尊重義務は国のみならず、自治体の首長にも課せられている。〉
 「台湾有事」に備えるためと称して、奄美から与那国まで島々の空港・港湾・道路を自由に利用しようと画策する日米両政府に対して、地元の首長は矜持を持って「NO」と言うべきだ。いや、県や自治体ばかりにまかせてはおけない。「以民促官(いみんそくかん)」ということ言葉が中国にある。民の声が官すなわち政治を動かすことができるのだ。
 まだ物が言える今だからこそ「沖縄を再び戦場にさせない」の声を、ひとりひとりがあげていこう。小さな蟻でも何千匹、何万匹も集まれば、巨象をも倒すことができると信じて、ちばらなやーさい。
 5月21日(日)午後1時から「島々を戦場にするな! 沖縄を平和発信の場に! 5・21平和集会」を、晴天時は北谷球場前広場で、雨天時はAgreドーム北谷で開催します。詳細はチラシ等でご確認ください。

具志堅正己(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 運営委員)
※本稿は具志堅さんの承諾を得て、琉球新報5月5日掲載の論壇を転載しました。

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