メルマガ112号

今回は沖縄県民間教育研究所所長の長堂登志子さんからの寄稿です。長堂さんは今年1月に那覇市で行われた国民保護訓練に対し「沖縄に対し国の軍拡の要求が過大になっている時、危機感を煽るだけの訓練」だと、キッパリと批判し、今後も実施されていく訓練は「決して市民を守るためではないことをこれからも強く訴えていきたい」と言及されています。論稿からは普通の市民が市民感覚で反対の声を普通に声を上げる、おかしいことはおかしい、いやなことは嫌と自由に声を上げる、声を上げていいんだ、という市民感覚がひしひしと伝わってきます。今後県内外各地で実施される可能性がある国民保護訓練にどのように声を上げ、行動していくかのヒントも詰まっています。ぜひお読みください。

『どうなる沖縄~台湾有事シミュレーション講演会 「戦争ができる国」から「戦争をする国」へ』の映像を公開しています!!

さる3月12日、共同通信社編集局専任編集委員石井暁さん、軍事ジャーナリスト小西誠さんをお招きし、「どうなる沖縄~台湾有事シミュレーション講演会」を開催し、200人の参加者の方々はお二人の話に耳を傾けました。参加者からは、「大変わかりやすくとても勉強になりました。『本当に戦争になる』とやたら恐怖心だけを抱くのではなく、私達になにができるのかを考え、行動する必要があると感じました」「大変わかりやすくとても勉強になりました。「本当に戦争になる」とやたら恐怖心だけを抱くのではなく、私達になにができるのかを考え、行動する必要があると感じました。」などの感想が寄せられました。当日参加できなかった方々にもぜひご覧いただきたいと思います。こちらをクリックしてご覧ください。https://nomore-okinawasen.org/6468/

ミサイルいらない国民保護訓練反対の市民の闘い

お正月にポストに入った「なは市民の友」の表紙は、ナハマラソン出発式でにこやかに手を振る知念覚新市長の写真。城間幹子前市長が、オール沖縄を裏切り、自公勢力と手を結んで勝利させた市長。嫌な思いがぶり返ってきて、ゴミ箱にと思ったが、どんなことが書かれているのかパラパラとめくると丁度真ん中あたりに「国民保護訓練を実施します」というタイトルが目に入った。1月21日(土)実施とある。「住民避難訓練―弾道ミサイル情報が伝達された場合に住民のとるべき対応や行動の周知・啓発を行う」とある。辺野古バスのグループラインで早速情報交換が始まる。国民保護訓練について知念市長は定例の記者会見で「災害の訓練と同じように職員も訓練を重ねないと緊急時の対応が身につかない。国民保護について平時から訓練することで職員は初動体制を身につけると共に、市民も意識して緊急事態に備えてほしい。」と発言し、戦争と自然災害を同じように考えている。
 沖縄タイムスのオピニオン欄に「ミサイル避難訓練するよりも」というタイトルで知り合いの由美さんが声をあげた。「こんな訓練をして意味があるのだろうか。屋外にいる場合は『近くの建物の中か地下に避難する』という。建物がない場合は『物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る』という。屋内にいる場合は『窓から離れるか、窓のない部屋に移動する』そうだ。本当にミサイルが飛んで来たならば、このような方法で被害を防げるとはとても思えない。建物はあっという間に木端微塵。人間は肉片となるのではないか。太平洋戦争の時に、バケツリレーで焼夷弾の火災を消せると思っていたり、上陸してくる敵兵を竹槍で迎え撃てると信じていたりしたことを思い出した。軍拡して周辺国を不安にさせることは、百害あって一利なし。政府は憲法をしっかり読み、東アジアの平和と安定に全力を尽くしてほしい。」
と私たちが言いたいことをすべて書いてある。後は反対の行動をどう起こすか。オール沖縄とか大きな団体の声かけを待っている間に訓練が終わってしまう。
 「みんなで抗議の意思表明を!那覇市役所前1月17日(火)から20日(金)まで基本午後5時から6時までプラカードを持ってスタンディングと反対の訴え、訓練当日の21日は、なは市民協働プラザ前で9時30分から10時30分まで抗議行動 那覇市の国民保護訓練に反対する会」というチラシを作成し、配布行動を行うことにした。辺野古バスメンバーのNさんが「私は那覇市役所に聞きたいことがある」と声を出したので、反対する会で質問書を私が作ることになり抗議要請行動も急遽企画することになった。16日に質問書を持って国民保護訓練担当の防災危機管理課に出向いて、質問書に対する回答の日程交渉をしているところが新報に掲載された。早速平和市民連絡会の城間事務局長から全面応援の連絡があった。また新報・タイムスが連日掲載してくれたこともあり、日に日に参加者が増え21日の当日は60人以上の参加者で力強い反対行動ができた。国民保護訓練への参加者は、近くの保育園児も入れて約90人だった。Jアラートとミサイル発射の放送の後、消防団員らに誘導され、なは市民協働プラザの地下駐車場に移動し、頭を抱えて座り込むというものだった。「訓練は戦争を受け入れるという間違ったサインを送ってしまう」「平和外交が先だ」と抗議した。
 那覇市との話し合いの中で去年の4月の時点で国からの要請に応募していたこと。1718市町村の内12箇所の応募があり、実施は9箇所。沖縄県は与那国町、那覇市、宮古が応募したが、宮古は途中で取り下げている。沖縄に対し国の軍拡の要求が過大になっている時、危機感を煽るだけの訓練は決して市民を守るためではないことをこれからも強く訴えていきたい。

 長堂登志子(沖縄県民間教育研究所所長)

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