弾薬庫、長射程ミサイル配備など一切の軍事予算・計画、レゾリュートドラゴン日米演習などの中止を要求する声明を記者会見で発表し、内閣総理大臣、防衛大臣、自衛隊、在日米軍など各方面に送りました。記者会見で具志堅隆松共同代表は「自衛隊那覇基地は那覇空港と一体で弾薬庫建設でミサイル配備も懸念される。県民、観光客が戦争に巻き込まれる。オール沖縄会議、平和運動センターなど各団体に呼びかけ県民集会を目指したい」と訴えました。そのほか「軍民共用の那覇空港で大事故が起きかねず観光経済が壊滅する」「子どもたちの命と未来を失う」など批判をぶつけました。
弾薬庫の整備は戦争への一里塚であり、私たちの生活を脅かし、観光立県沖縄の未来を破壊するものです。ぜひ声明をお読みいただき、読者のみなさんからも拡散をお願いします。
「空自那覇基地弾薬庫調査費、沖縄市自衛隊施設の弾薬庫5棟工事費計上に反対する声明」
「空自那覇基地弾薬庫調査費、沖縄市自衛隊施設の弾薬庫5棟工事費計上に反対する声明」
宛て先
内閣総理大臣、防衛大臣、在日米軍司令部、在日米国大使館
航空自衛隊那覇基地、陸上自衛隊那覇駐屯地第15旅団、沖縄防衛局長
沖縄県知事、那覇市長、沖縄市長、沖縄県議会議長、那覇市議会議長、沖縄市議会議長
ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会 ミサイル配備から命を守る沖縄市民の会 沖縄平和市民連絡会 監視社会ならん!市民ネット沖縄
防衛省2026年度概算要求に航空自衛隊那覇基地への弾薬庫建設の調査費、沖縄市の自衛隊訓練場への弾薬庫5棟の建設工事費が計上されたと9月14日付しんぶん赤旗が報じた。報道では「那覇基地は那覇空港に隣接」し、「敵基地攻撃につながる長射程ミサイル」保管の可能性を指摘する。県都那覇市の住宅密集地、那覇空港に隣接する空自那覇基地への弾薬庫新設は県民の命と暮らしを脅かし、観光・交通・物流に重大な影響を及ぼすことが予想され、絶対に認められない。防衛省は沖縄市の弾薬庫5棟の着工に関する市民への説明会を一度も開いておらず、その内容は明らかにされていない。近接する米軍嘉手納弾薬庫の自衛隊共同使用を含め、断固拒否する。
2026年度概算要求で防衛省は陸自那覇駐屯地の第15旅団を第15師団に格上げさせ、普通科連隊を新編し、1600人もの増員、16式機動戦闘車を配備する「偵察戦闘隊」の編成、司令部の地下化を計画している。
那覇空港は特定利用空港に指定され、周辺道路も全国で唯一、特定利用道路として指定された。軍事化を目的に滑走路誘導路の増設も計画されている。
那覇空港は民間航空と空自・海自・陸自が使用する軍民共用空港である。軍民共用による民間機と自衛隊機の接触、滑走路進入、ニアミスなど重大事故が相次ぐ中、空自機のスクランブル発着が激増し危険を増している。昨年1月、羽田空港で滑走路に進入した海上保安庁機の衝突で日本航空機が爆発炎上した事故では、軍事専門家が「那覇空港で起きてもおかしくない」と指摘した。度重なる重大事故をふまえ、那覇市議会は那覇空港の「民間専用化」を求める意見書を14回も決議している。2017年の同意見書では、県民生活や観光・経済活動を支える拠点空港において、自衛隊機関連事故が「過去5年で10件を数える」と指摘している。
昨年10月の日米統合演習「キーン・ソード25」では自衛隊那覇基地に「防空指令所」を設け、統合防空ミサイル防衛、共同統合対艦攻撃、防空戦闘、実爆訓練で米軍嘉手納基地所属のF35A・F16、那覇基地所属のF15戦闘機が沖縄西方沖方面への出撃訓練を強行した。2023年11年の自衛隊統合演習では「有事を想定する自衛隊員の遺体処理訓練」(琉球新報)を実施。「那覇空港が危ない」の風評は沖縄の観光産業を土台から崩壊させる。
現在「レゾリュート・ドラゴン25」日米実動訓練が全国で強行されている。沖縄の島々、特に与那国、石垣、宮古で、共同通信が報じた「台湾有事に日米が対処」する「日米共同作戦計画」に符合する「対艦ミサイル攻撃」訓練が強行された。また米軍の無人地対艦ミサイルNMESISが石垣島に展開、米軍ハイマースロケット砲の与那国展開も計画された。ホワイトビーチでの無人輸送艇ALPV訓練は対艦ミサイル発射機やミサイル輸送訓練と見られている。
私たちは米軍の与那国、石垣、宮古への展開を断じて容認しない。玉城デニー知事には米軍の島々への展開を拒否するよう、強く要求する。連動する自衛隊の軍事強化、長射程ミサイルの全国・沖縄配備、日米一体の台湾有事対処「レゾリュート・ドラゴン25」日米実動訓練、軍事化を進める防衛省概算要求など一切の軍事強化の拒否を求める。
申し入れ事項
- 航空自衛隊那覇基地の弾薬庫新設に反対する。弾薬庫の棟数、保管する弾薬の詳細を明らかにせよ。
- 沖縄市の自衛隊訓練場への弾薬庫5棟の工事着工、概算予算に関する住民説明会を開き、保管を計画する弾薬の種類、総量を明らかにせよ。
- 嘉手納弾薬庫を自衛隊が共同使用する日米合意を破棄せよ。住民説明会を開き、共同使用する弾薬庫に保管する弾薬の種類、総量を明らかにせよ。
- 陸自師団化に伴う自衛隊訓練場の新設に反対する。防衛省が昨年断念したうるま市石川地区での訓練場計画に代わる訓練場計画の有無を明らかにせよ。
- 「レゾリュート・ドラゴン25」日米実動演習を中止せよ。
- 与那国、石垣、宮古への米軍の展開に反対する。
- 台湾有事を想定する「日米共同作戦計画」を廃棄せよ。日米共同作戦計画の内容を明らかにせよ。
- 米軍はハイマース、NMESIS、MADIS、ALPV、戦闘艇、嘉手納基地への無人機MQ9、MQ4の配備を撤収せよ。自衛隊は島々への地対艦、地対空ミサイル配備を撤収し、12式地対艦ミサイル向上型、離島防衛用高速滑空弾の沖縄、全国への配備を中止せよ。
- 玉城デニー知事は、与那国、石垣、宮古への米軍の装備、訓練の展開に強く抗議し中止を要求せよ。長射程ミサイル、反撃能力を有する装備の沖縄配備に反対を貫き、県議会、市町村議会に反対決議を働きかけよ。

