メルマガ365号

今回のメルマガは新垣邦雄さんからの寄稿です。2月に発足した当会も参画している沖西ネットは35団体となりました。6月6日、東京での初の政府交渉に臨み、数々の要求、質問を突きつけました。しかし、こちらの切実な質問に対し、台本があるかのような、決まり文句の回答に終始しました。しかし、こうした政府の姿勢を容認することはできません。今後も沖西ネットの取り組みに注目していただき、読者の方々の積極的な参加をよびかけます。

沖西ネットが政府交渉 ジュネーブ条約違反を追及

ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会ほか35団体の「沖縄・西日本ネットワーク」(沖西ネット)は6月6日、「政府交渉」に結集した。初の東京行動で沖縄、九州、四国、関西、東京・関東の有志が「戦争準備の即時中止」を政府に突きつけた。
 政府・防衛省への「要求・質問」は、例えばノーモア沖縄戦の会は「沖縄防衛局長はミサイル発射機が基地を出てミサイルを発射すると認めた。島中が攻撃目標になる」、石垣からは「住民避難と自衛隊・米軍の大規模派遣が空港でバッティングする。住民避難は不可能」と切実な訴えをぶつけた。政府回答は、切実な質問に「答えず」、論点を「ずらし」、中国脅威論を「あおり」、軍事強化を正当化、明らかな間違いを含め、極めて不誠実だった。
 戦争準備反対の口火を切ったのは具志堅隆松・ノーモア共同代表だった。「日米会談で、ヘグセス米国防長官は『西太平洋の戦闘で日本が最前線に立つ』と宣言し、中谷防衛長官は『会談は成功』と容認した。自衛隊員の命をアメリカに売り渡すものだ。主権者の国民の声を聞き、アメリカのための戦争準備をやめなさい」と主張した。
 また具志堅氏は、「地元自治体に説明」を繰り返す防衛省に、「玉城デニー知事、市長が長射程ミサイル配備に反対している。自治体が反対する配備を行なうな」と強く要求した。
 政府交渉で大きな焦点となり、条約や国際基準違反、「国民保護」との矛盾を浮き彫りにしたのが、ミサイル基地、弾薬庫と周辺住宅の「あまりにも近すぎる距離」の問題だ。宮古・保良弾薬庫は民家から200㍍。大分敷戸ミサイル弾薬庫は「周辺3キロに4万人の住宅密集地の真ん中」にある。政府が「国民保護法」整備のため批准したジュネーブ条約追加議定書は「軍民分離」「住宅密集地、近くに軍事目標を設けない」と義務付け、住宅地に近接する軍事施設は明らかにジュネーブ条約に違反する。
 政府への質疑で弾薬庫の保安距離が「国連、NATOの3分の1」の基準違反を指摘した。空港・港湾を平時に訓練使用すれば、有事で「攻撃目標になる」。しかも、ジュネーブ条約が定める「軍事施設」ではないと識別する「特殊標章」を空港・港湾に表示していない。具志堅氏は「沖縄島は屋内避難。ミサイルが飛んで来れば死ねということか」と厳しく追及した。
 沖西ネットは6月8日の運営会議で「政府交渉の継続」、佐賀オスプレイ配備に反対し、京都・祝園弾薬庫抗議集会の支援を確認した。東京・関東、東北・北海道のネットワーク化も確認した。沖縄、日本を戦場にしない活動を続ける。
新垣邦雄(当会事務局長)

※本稿は新垣さんのご承諾を得て、琉球新報7月9日の論壇を転載したものです。

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