「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」 賛同者・呼びかけ人の皆さま いつも活動をご支援いただき誠にありがとうございます。 第3号の今回は、共同代表の石原昌家さんからメッセージが届いています それでは、どうぞご覧ください。 |
(2022年2月18日付「琉球新報」2面に掲載された「在沖基地で離島奪還訓練」の記事)) 「大軍事演習」 ここ半年間の琉球新報、沖縄タイムス、テレビの報道、インターネット情報などから伝わる、軍事演習の凄まじさは、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、中東戦争など、米軍の出撃出動基地の沖縄に住んでいたものとして、その激しさはただ事ではない、と痛感している。おそらく、地獄のような砲煙弾雨の沖縄戦場下から奇跡の連続で生き延びてきた生存者にとって、悪夢がよみがえって、眠れない日々を過ごしてはいないだろうか。 戦争体験者ではなくても、「針の穴をくぐってきた」という生存者から聞き取り調査をしてきたものは、体験者に感情移入して「代理受苦」の経験を持つ人たちも、異常な軍事演習の激化に、戦慄をおぼえているひともいるだろう。 演習(リハーサル)のあとには、本番がある(沖縄戦を見よ!)ことを、沖縄戦体験者は知っている(気づかなかった人もいるかもしれないが)。沖縄戦から31年前、そっくりそのままの軍事演習を熊本から第六師団が沖縄へきて、中等学校生徒も戦闘員としてかり出し、軍事演習を実施していることを、当時の琉球新報は報じていた。沖縄戦の経緯を知っている私は、その新聞コピー記事を、1980年5月、大阪の千里丘アパートで読んだとき、愕然としたことが忘れられない。 いま、仮想敵として中国を見立てて、琉球弧・南西諸島での戦闘訓練をなんども米軍・自衛隊が実施している。「台湾有事」「尖閣有事」の危険を予知したひとたちが、沖縄を戦場にするな、というただ一点で、「ノーモア沖縄戦 命どう宝の会」をたちあげた。 すると、あろうことか、「『有事』を強調する言説がまかり通る。」という記事が、琉球新報(2月16日)に載り、わが目を疑った。 同じ琉球新報の2月18日、二面には、「在沖基地で離島奪還訓練」の大見出し、以下、/対中国 海兵隊7500人、空自機も/の中見出しがつづき、リード文では「米海兵隊が、沖縄県内の複数の米軍施設(基地のこと)を離島に見立て、中国への対処を念頭に小規模部隊を分散展開させる新たな「遠征前方基地作戦」の訓練をしている」「海兵隊員だけで約7500人が参加する異例の大規模訓練。近海や上空では米海軍の原子力空母などに加え、航空自自衛隊の戦闘機を参加した」という。 こういう記事も、「有事」を強調する言説、と判断するのだろうか。このような記事をもとに危機感を抱き、わたしがこのような文を書くのは、「有事」を強調する言説なんだろうか。 わたしたちは、既成事実化の積み重ねで、「ゆでガエル」(危険を察知できずに死んでしまう)になってはいけない。 石原 昌家(沖縄国際大学名誉教授・平和学) |
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