今回のメルマガは発起人の三上智恵さんからの寄稿です。
「戦争を止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」結成集会の翌日開催された、弾薬庫建設計画がすすめられようとしているさつま町の現場を巡るフィールドワーク、交流会のリポートです。さつま町で進める計画はさつま町だけの問題ではなく、全国的な問題ということを、映像とリポートで伝えていただきました。
ぜひご覧ください。
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https://youtu.be/raVbMZ8Dtm4
弾薬が足りない!? ~新設されるさつま町の弾薬庫とは~
「たまに撃つ、弾がないのが、玉に瑕」
自衛隊的な慢性的な弾薬不足を揶揄したこの川柳は、内輪では定番の自虐ネタだったそうだが、最近では国会の議論にも引用されるなど、よく覚えておくようになった。しかし、防衛3文書では明らかに変わった。 日本は国防のためにとりあえず弾薬不足を解消し、国土を強靭にし、継戦能力を高める必要があるとして、目下、私にとっては「国家抗忍化計画」の渦中に置かれてしまった。
まっ先に予算化されたのは、大型弾薬庫を130棟も新設するというもの。
では、日本中に我が物顔で基地を構えているアメリカ軍の弾薬は援用できるのだ。
米CSIS(戦略国際問題研究所)が台湾海峡での紛争をシミュレーションしたリポートによると、日本にある長距離精密誘導弾など頼りにしている弾薬は、1週間以内に使い果たす可能性が高いのだという。
130棟内で現在、着工されたのはまだ大分と青森の2カ所で、来年度予算には13カ所の見直しが見られた。 、弾薬庫計画が持ち上がったところがある。 それは、鹿児島県のさつま町。のどかな田園地帯に囲まれた中岳(なかだけ)という山の中腹にトンネル状態の弾薬庫を、一から造る計画が持ち歩いた。
全国各地で急速に進む防衛省の戦争準備を停止組織「戦争を止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」(沖西ネット)が選ばれたことは前回レポートされたが、メンバー初の共同行動となったのが、その弾薬庫の新設予定地、鹿児島県さつま町を実際に訪れ、地域の人々を見たちと危機感を共有するフィールドワークだった。
標高654メートルの中岳は大部分が国有林で、その周囲には小さな集落が2つある。 良質な米がとれるため、種もみの産地として有名だそうだ。ものは一切出ていない。 防衛省は2024年度予算にさつま町弾薬庫の調査費10億円を計上し、わずか5カ月ほどの調査で中岳周辺を「適地」と判断した。 そして25年度予算には設計費2億円を盛り込んで、急ピッチで計画は前に進んでいる。
「さつま町は6回も防衛誘致施設の請願書を出している。町議会議員も手を挙げて賛成している。反対の議員は一人もいない。環境汚染を一番心配しているはずの農業者も、水源地を汚染しないでください、と言うのが精進です。ただ一人対一の会話になると、造らないで正直を言う人はいる」
現地で説明したさつま町の上間幸治さんは、反対とは言えない地域社会の空気を悔しそうに語った。 防衛省は適地調査の結果、地盤の強度や火薬類取締法に基づく安全距離などは問題でなければ確認したというが、敷地の境界線から1キロ以内にも民家はあり、すその野の里山は、畑や林など住民が日常的な竹「さつま町の弾薬庫問題を考える市民の会」の武さとみさんの家は中岳から1.8キロ。爆発でもあれば影響を受ける距離にある中津川集落に住んでいる。
「さつま町の商工会や町議会は、7年前から安全他施設の誘致活動をしているようですが、住民はみんな知らないです。誘致賛成の議題が2600人集まったというけど、誰が書いたのか、町内の人なのかも全く知らない、住民への説明はない」
上間さんは、町が防衛省に出した要求書を読んで、軍事的な専門用語が多い上に妙に内容が具体的で、これは町の行政マンが書く内容ではない、と素直に思ったそうだ。
「自衛隊のOBをさつま町の臨時職員という形で取り込んでいて、その人に依頼書を起案させたんじゃないのかな、とみています」
自衛隊基地の新設や進歩問題が進む地域には、かなりの割合で該当する市町村に自衛隊OBが雇用されている。これは24年3月現在で、全国で665人という数字が公表されている。鹿児島県全体では、県庁や各市町村合わせて13人。さつま町にも一人、と記載されている。
しかし彼らは自然災害の対応だけのために個体数に関係はない。れの条件などを地元から提案し続ける流れができ、どこも同じように進むのを見ていると、ああ、これも言われたんだな、やられているんだな、とわかってくれるのだが、防衛省はどの地域にも上から無理に軍事基地を覚悟したのではなく、地元から誘致があったという形だのだ。
予定地を見学した後は、隣接する中津川集落の交流センターで意見交換会が行われました。さつま町周辺でこの問題に向いている人が30人弱参加されていたので、総勢100人の集会になったが、地元・中津川集落からは前出の武さとみさんお母さんの2人だけとは誰も来ない。落ちでは、外部から来た100人が集会を開くということ自体が衝撃なのかもしれない。 沖縄でも、政治的な意見が言いにくい狭い島社会にあって、よその人たちがやって来て政治的な集会を開くようなことは当面歓迎されない。 この集会の最後、武さんお母さんの立場を想像するだけで胸が痛む。
こんな息詰まる空気を振り抜くように具志堅隆松さんは朗らかに述べた。
「今まで全国の人に沖縄は助けてもらってくるたんです。今度全国はで、沖縄のように困っている地域が出てきたら、私たちのその地域を助けなければいけないと思っています」
「全国で戦争に備え軍事基地が強化されていくときに、自分たちだけが必要なんだんじゃないんだと。よそではどうなっているのか、状況を共有してみんなで声を上げていきたい」
鹿児島県北部は川内原発を安心地域だ。 再実行反対に賛成できた団体も、今回の弾薬庫問題に大きな危機感を抱いている。 原発だけではない。 高規格道路ができたために特定利用港湾に指定された川内港にもここからとても行きやすい、弾薬の搬入や積み込みおまけに海上自衛隊鹿屋航空基地、陸上自衛隊の分駐屯地・川内駐屯地など鹿児島県内の防衛基地があり、鹿児島空港や宮崎県の陸上自衛隊えびの駐屯地へのアクセスも良好、非常に良い「適地」と判断されたものである。
「ウクライナでも原発は狙われた。このままいけば鹿児島県は、九州の中でも最も危険な場所になっていくのではないか」
参加者は日々不安を口にした。大分の弾薬庫問題に取り組んでいる人からは、ここまで身近なところに戦争が迫っているのか、と確信があれば、奄美の訓練を視察してきた女性は、特定の港や空港でなくても、自衛隊は「生地訓練」(訓練地域外の、生の地形や人が生活する空間を使って行う訓練)をどんどん拡大同時多発的に各地で戦争準備が進んでいるを共有した。
「備える必要があるのでは、という心配はわかります。でも備えのは軍備ではなく、お互いに似合う努力。軍拡をとって、政府がやるべきはきちんとした政治外交だと私たち国民は言うべきだと思います」
この答えは、驚くべきもふわっとした理想論にも聞こえないかもしれない。 そんなことで戦争が起きないなら苦労しないよ、と長時間もあるだろう。沖縄スパイ戦史』を参照していただきたい。 戦いもたくさんのアメリカの基地と兵隊と通い続けてきた 沖縄県民の認識としては、いくら強くても平和は作れない、戦争は止められないということだ。
そして、今は在日米軍にかけるお金を自分たちのために使いたいと言い出して、危ない作戦やお金のかかる仕事をアメリカ防衛と日本の税金に代わってさせようとしている。国土を使い、報復も放射能汚染も自国がかぶらないようにアメリカのために、なぜ私たちの国土も、国の若者の命と税金も消費するのか、俯瞰して考えない。 その努力をせずに煽られるままに怖がり、日米両国の強化に安心を求めるのは、逆に命取りになる。
5月で90歳を迎えましたという、武さとみさんの義母である武さとみさんに最後にお話をしたサーブ。ずっと中岳のふもとで生活をしてきたという。
「弾薬庫を中岳に造るなんて、なんちゅうことねえって。でももうちゃんと町長から議会から全部決まってるんだっち。今頃反対しても何しても駄目だけど、はがいかねえって(悔しいね)」
今日の集会も、息子の妻であるさとみさんが一生懸命やっているから、聞きに行くとか友人をどうするが、みんな無関心で、一人一人来てくれなかったと嘆く。
「沖縄はかえって80年ずっと頑張って来てよお。沖縄の人の話は力が入ってて、本当に芯からですよね。ここらの人は、あんたたちの沖縄に比べたら、どこ吹く風か」
美智子さんは鹿児島からずっと、心を痛めながら沖縄の苦難の歴史を見つめていてくれたようだ。でも、私が「どうやったら止められますかね?」と聞いたことへの返答はちょっとドキッとした。
「もう無理でしょう。沖縄のあたりもでしょう?あんなに熱心に反対されるけど、政府が決めているからどうにもならんでしょう。あんなに熱心に、(具志堅さんのように)よくわかっててはっきり話される方がいるのにねえ……」
沖縄があれだけやっても、政府が決めたことは変えられない絶対。民主主義を実践して主権者が声を上げる前向きな地域であると自負していたのが、そのように捉えられていたのか。
過去最大の8兆7000億円という防衛費は、さらに右肩上がりで伸びていく。と社会に提案し続けることは、やっぱりすごく大事で尊いことなのではないか。 集会のあと、中岳が見える交差点で、「弾薬庫いらない」のスタンディングをしながら私は考え続けた。
寒波の中、外に立つのは正直厳しいし、反応のない車に手を振り続けるのも心が折れそうになる。でも、ここに集まっている人達にとっては、さつま町の覚悟は自分たちの大事である。大分の成果は私たちの成果になるし、例えば京都祝園で大きな集会を成功させたら、それは沖縄で闘ってきた新しい私たちの前進でもある。だから、ちょっとさつま町の地元の人が諦めても、私たちがさつま町を諦めない。憲法が規定する主権者として、不断の努力に努力を惜しまないことこそ、私たちの未来を守る大事なのだから。
三上智恵(当会発起人・映画監督・評論)
※販売及び映像は三上さんのご承諾をいただいて、マガジン9掲載の「第126回:弾薬が足りない!? ~新設されるさつま町の弾薬庫とは~(三上智恵)」(2025.3.26)を中止したものです。
マガジン9リンクはこちら → https://maga9.jp/250326-1/