11月25日に共同通信が全国配信した「南西諸島とフィリピンにミサイル網」とする報道を受け、当会は沖縄県庁で計画への反対声明を発表しました。このあと、12月14日に石井暁さんの講演会を開催し、この戦慄の計画についてお話いただきます。ぜひお運びください。
沖縄を戦場にしない!「戦争する国づくり」に抗う
ノーモア沖縄戦、命どぅ宝の会は11月27日、沖縄県庁で記者会見を開き、「南西諸島とフィリピンのミサイル網に反対する声明」を発表しました。同25日、共同通信が全国配信した「南西諸島とフィリピンにミサイル網」とする報道を受けたものです。共同報道は日米が台湾有事に対処する日米共同作戦を、南西諸島からフィリピンの「二正面作戦」で進めていると暴露し、全国に大きな衝撃を広げました。
会見でノーモア沖縄戦の会、与那覇恵子共同代表は①日米共同作戦の廃棄、中止②防衛省が計画する敵地攻撃可能な長射程ミサイルの沖縄配備に反対(玉城デニー知事が反対を政府に申し入れ)③「中国が唯一の合法政府」「台湾は中国の不可分の領土」とする日中共同声明、日中平和友好条約を遵守する台湾問題の平和的な解決④日米共同作戦に関連する長射程ミサイルの開発、ミサイル弾薬庫建設など関連予算の来年度防衛予算からの削除ーなど「声明」を発表しました。
ノーモア沖縄戦の会、具志堅隆松共同代表は「沖縄にもフィリピンにもミサイルを配備する二正面作戦で日米の共同作戦が現実化する。中国に届くミサイル配備は専守防衛を逸脱し沖縄、フィリピンを戦争に巻き込む。沖縄だけでなく全国が火だるまになる。沖縄県民は二度と戦争の犠牲にはならない。中国に戦争を仕掛けるミサイルの沖縄からの撤去を要求する」と訴えました。
「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会」の照屋寛之共同代表は「政府、防衛省は沖縄県民を人間と思っていないのか。基地を減らすどころか再び沖縄で次の戦争準備を進める政府を許さない。宮古、石垣、与那国にミサイルを配備し、戦争をするために住民は九州に避難せよとはどういうことだ。米国の対中戦略のために第一列島線にミサイルを配備することは許されない。日米安保でなく、アジアの平和のために東アジア安保を作り基地とミサイルを撤去するしかない」と訴えました。
元米海兵隊員で沖縄にも駐留したダグラス・ラミス氏(ノーモア沖縄戦の会共同代表、VFP沖縄=平和を求める元軍人の会代表)は、「米国は自国領域で戦争をしない。太平洋のかなたの米国は、日本が中国と戦争をしても米国は安全と考えている。日本政府は沖縄周辺だけで戦争をする考えかもしれないが、決めるのは中国だ。在日米軍司令部が東京都心に移り、横田基地など東京も攻撃対象になる。共同の記事をフィリピンのウォルデン・ベロー氏に送る。フィリピンとも連帯し、日米政府の戦争準備に反対していく」と訴えました。
会見後に「声明」を沖縄県基地対策課に届けました。共同通信報道に対し、玉城デニー知事は「沖縄が戦場となる危険性を高めるミサイル配備など軍備強化を認めることはできない」と長射程ミサイルの沖縄配備など軍事強化に反対する考えを改めて示しています。
共同通信の記事を書いた石井暁記者を招く「台湾有事『日米共同作戦』をどう食い止めるか」講演会を12月14日(土)午後1時から、那覇市の教育福祉会館で開きます。後日、ユーチューブにもアップします。ぜひご参加、ご視聴ください。
ノーモア沖縄戦の会などが参加する11月30日の大分集会では「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」への参加呼びかけを行なう予定です。沖縄だけでなく、奄美、馬毛島、九州から西日本に広がる日米政府の戦争準備を絶対に認めるわけにはいきません。西日本から全国に反対運動を広げ、全国の市民の声で戦争準備に歯止めをかけましょう。
新垣邦雄(当会事務局長)