今回のメルマガは戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク(準備会)のキーン・ソード25への抗議声明、九州防衛局への手交の報告です。当会も共同声明を発し、県への要請を行動を行ないました。この準備会には当初から当会も参画し、全国へ発信する母体として現在活動をすすめています。今後大分、鹿児島などミサイル要塞化を進む現地で集会を重ね、ミサイル要塞化、あらゆる軍事強化にあらがうネットワークを広げていきます。今回の防衛局への抗議行動と、共同声明をぜひお読みください。
日米共同統合演習「キーン・ソード25」に対する中止要求声明
10月21日午後、平和をあきらめない北九州ネット(平和ネット)のメンバーに福岡市からの参加者を含めて、九州防衛局に行って来ました。
事前に平和ネットの中止申し入れを送付して、21日14時の訪問を伝えてありましたが、前回(5月の特定利用空港・港湾指定取り消し要求)同様、机・椅子のある部屋も用意せず、防衛局のある合同庁舎入り口ロビーでの、立ったままでの対応でした。
しかも、前回は対応した報道官以外にもう一名いましたが、今回は、前回とは違う報道官が一名のみで対応するという、完全に我々を軽視した対応でした。
平和ネットの質問項目に、かなり長い文書を隠すようにして読んで回答しましたが、長い回答に対し、立ったままではメモも取れないから文書にして渡してくれと要求したら、それはできないとの答え。長いやり取りをして、上司と相談に行かせて、戻って来ても、他の団体・個人に対しても口頭でしか回答していないので、文書回答はできないとのこと。
代わりに、ゆっくり回答を読ませて、メモを取りやすくし、一段落毎に質疑応答を入れるということで妥協。
回答の一つから、以前から北九州空港を自衛隊が使用して来たことが判明。使用については事前に北九州市に通告していたが、北九州市は市民への告知はしていない。
キーンソードに北九州空港を使用しない等の3項の申し入れは全て受け入れない回答でした。
続いて、沖縄・西日本ネットワークの中止要求声明を宗吉が読み上げて手渡しましたが、それに対するコメントはなかったし、時間的に要求もできませんでした。
宗吉信(平和をあきらめない北九州ネット)
日米共同統合演習「キーン・ソード25」に対する中止要求声明
日米共同統合演習「キーン・ソード25」(10月23日~11月1日)が強行されようとしている。この演習は、日米の軍隊合わせて、総勢4万5千人の兵士、40隻の軍艦、370機の軍用機に加え、オーストラリア軍、カナダ軍も加わる巨大なものであり、英仏独伊・NATOなどもオブザーバーとして参加予定である。この軍事演習は、中国との戦争を想定したものであり、演習が行われる場所も、中国のすぐ近くである。
つまり、これは、日米を中心とする西側諸国による「対中戦争シナリオ」の、まさに現実的な実戦訓練である。しかも、これら諸国―帝国主義列強は、1945年の日本の敗戦に至るまで、日本を中心として、中国への侵略を長期にわたって行った国ぐにである。
なぜ政府はこのような演習を行うのか、行う必要があるのか。政府はいまの大軍拡―軍事態勢構築を 「中国からの防衛力・中国への抑止力」強化のためのものだと喧伝するが、演習内容を見れば、日米が 総力を挙げて、「中国への戦争準備」を行っているとしか見なせない。しかも、このような軍事演習は、中国に対する「戦争挑発」でもあり、東アジアでの戦争の危機を限りなく高めるものだ。
沖縄・奄美を中心に全国各地を使った大演習
演習では、米軍・日本軍(自衛隊)の基地だけでなく、合計32の民間の空港・港湾も使用され、私たちが日常生活で使っている一般道路も使用される。また、奄美大島や徳之島では、公園・公民館・青少年自然の家・海水浴場・漁港など、島全体を使っての軍事演習が展開される予定だ。沖縄・奄美には、日米共同指揮所が作られる。ここで行われるのは、まさに、「戦争の指揮」であり、その訓練である。ミサイル部隊が配備されている奄美・沖縄・宮古・石垣の島々では、「本土」の部隊と共に、中国艦船への攻撃を想定しての、対艦ミサイル発射訓練が行われる。そして、この軍事演習は、全国各地で大々的に展開されるのである。いまや琉球弧・日本列島全体が中国への「戦争マシーン」と化しているのだ。
軍事演習は誰のための何のためのものか
自衛隊統合幕僚監部は今回の演習についての報道発表資料の冒頭で、その目的・趣旨について次のように 書いた。「自衛隊と米軍は力による一方的な現状変更の試みは断じて許さないという強い意志の下、 あらゆる事態に対応するための抑止力・対処力を強化し・・」。「力による一方的な現状変更の試みは許さない」という言葉は、「国際秩序へ挑戦している」という非難の言葉と共に、中国を指して、日本の首相やアメリカの大統領が繰り返し言っているものである。それは、「我々西側が中心の国際秩序への挑戦は許さない。その国際秩序の現状を変更することは許さない」ということを意味している。
世界を自らの利益と欲望に合わせて秩序化して来た帝国主義諸国―西側「先進国」はその「秩序」を維持するために、いま必死である。
岸田首相(当時)は今年4月の米議会での演説で、「米国が何世代にもわたり築いてきた国際秩序は今、新たな挑戦に直面しています」と語った。そして彼は、「挑戦者」としてグローバルサウス諸国や中国・朝鮮などの名を挙げた。これらはかつて、日欧米・帝国主義諸国が侵略・植民地支配した国々である。
これら諸国は、日米欧など西側諸国の利益と支配のための「国際秩序」を批判し、公正・平等・平和な国際秩序を求めている。イスラエルによるパレスチナへの侵略・大虐殺(ジェノサイド)を止めようと精力的に動いているのも、中国を含むグローバルサウスの国ぐにである。
一方、侵略し虐殺を行うイスラエルに加担――支援・支持しているのは、アメリカを中心とする西側中心諸国である。これら諸国は、(その構成を変えながらも)アフガニスタン・イラク・リビアを侵略し、一方的な先制攻撃や大量殺戮など、明白な国際法違反・人権侵害を行って来た。そこには、彼らが言う「法の支配」も「リベラルな国際秩序」も全く存在していなかった。
いま東アジアで、「中国への戦争態勢」を構築し、今回の軍事演習を行うのは、これら、世界における侵略・戦争推進勢力である。
政府は、「中国―アジア」への姿勢の歴史的大転換を!
近代日本国家は約150年前の成立以来、独自に、あるいは欧米列強と共に、東アジアを侵略しその平和を奪って来た。欧米と共に、東アジアの国ぐに・人びとに対してそのようにしたのは、東アジアで日本だけである。いま再び日本は、欧米諸国と共に中国への戦争態勢を構築し、今回の対中軍事演習をその先頭に立って行おうとしている。
日本政府よ、首相よ、日本軍(防衛省)よ、あなた達は、再び、同じ過ちを犯そうとするのか。いまこそ、あなた達は、 150年来の日本国家の歴史を総括し、その深い反省の上に立って、中国―アジアへの姿勢を転換しなければならない。
米国は、はるか遠くからの遠征軍だけで中国に勝利できるという展望を持っていない。つまり、日本さえ、この「中国への戦争態勢」から抜ければ、アメリカは中国と戦争をしない、できない。したがって、あなた達さえ変われば、 東アジアでの戦争を防ぐことができるのだ。
政府は、「東アジアの平和」の実現のためにこそ行動しろ!
中国侵略に対する日本の「責任を痛感し、深く反省する」立場で締結された日中平和友好条約は、「両締約国は・・すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する」(第一条)と謳っている。今回のような巨大規模の対中軍事演習は明らかに「武力による威嚇」である。
日本政府は、国際条約である「日中平和友好条約」を遵守し、平和憲法の原理に基づいて、「対中戦争態勢」から抜け、今回の演習を中止しなければならない。これは、日本政府・首相に対する私たち主権者の命令である。
【日本政府に対する要求】
一 日米共同統合演習の実施を直ちに中止せよ
一 全国で進めている「対中戦争態勢」の構築を、いますぐ中止せよ
一 軍事力によって東アジアの平和を破壊して来た歴史を反省し、対話と外交の力によって、東アジア
の平和の実現のために行動せよ
2024年10月21日
―戦争止めよう! 沖縄・西日本ネットワーク(準備会)―