今回は「南西諸島軍事強化トピックです。毎日更新している沖縄「戦前新聞」の情報を当会発起人の新垣邦雄さんに解説していただいています。今起きている刻々と動く軍事強化について必読の内容です。日毎のURLをクリックしていただき、記事もあわせてご覧ください。
南西諸島軍事強化トピック(9月26日~10月2日)
◇台湾有事発生時参戦回避が重要 宜野湾 シンポで識者訴え(沖縄タイムス 2022.9.27)
◇台湾有事「起こさぬ努力を」宜野湾でシンポ 日米作戦、危険性指摘(琉球新報 2022.9.27)
◇台湾有事 対話で回避 有識者、プロジェクト発足(沖縄タイムス 2022.10.1)
◇台湾有事 対話で阻止 県内有識者ら団体発足(2022.10.1)
「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」は9月25日、「台湾有事。日米共同作戦の正体~県民・メディアはどう闘うか」シンポジウムを開いた。石井暁共同通信専任編集委員は「安保関連法により台湾有事に米国が参戦すると自衛隊が自動的に参戦する」と指摘し、「米軍が参戦するのを止める」、「中国が台湾に侵攻しても、絶対に日本は参戦してはいけない」と明快に訴えた。石井氏は27日のテレビ朝日モーニングショーでも「米台中の戦争が起きても日本は絶対に参戦すべきでない」と訴えた。
安倍元首相は「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にない」と確信犯的にうそを言って国会、国民を騙し、米国の戦争への「自動参戦装置」(石井氏)の安保法制を成立させた。「私も騙された」と石井氏は演台で怒りと悔いを滲ませた。その口で安倍元首相は「台湾有事は日本有事。日米同盟有事」と言い放った。防衛省は沖縄の島々に大量のミサイルを配備する予算を組み、防衛文書に「敵基地・中枢攻撃能力の保有」を書き込もうとしている。
「集団的自衛権+敵基地攻撃能力」により、最悪の想定として「中国が日本、在日米軍基地に攻撃しない段階で自衛隊が中国にミサイル攻撃をする」事態が懸念されるという。米軍が戦端の口火を切るのであろう。そうなれば全面戦争、核戦争にエスカレートしかねない。沖縄はミサイル戦場となることを免れない。日本本土も無傷で済む保証はない。
憲法違反の悪法といえ現実に安保法制は成立している。台湾有事で米中が戦闘を開始すれば日本の「存立危機事態」として自衛隊が武力行使に踏み切ることになる、という。戦争の歯車を止めることができるのか。石井氏は「安保法制を廃止させる」、政府の「事態認定」を国会、世論で止める。「事前協議で在日基地からの米軍の戦闘作戦行動を拒否する」。前のめりの政府を「参戦拒否」に舵を切らせるには、反対運動の世論を作り出すしかない。
台湾有事は台湾、沖縄、中国に大きな被災を及ぼすことになろう。民衆の国際連帯で戦争を回避する「台湾有事を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」が始動した。ノーモア沖縄戦の会も加わる。我部政明琉大名誉教授、前泊博盛沖国大教授ら内外の有識者、元山仁士郎さんら若者世代も参加する。10月15日の発足イベントには丹羽宇一郎元駐中国大使もズーム参加する。記者会見で我部教授は「国際世論から声を上げることが大事だ」と訴えた。世界の3大国・日米中が戦火をまみえれば周辺国に被災と軍事緊張が波及し、世界大戦の懸念すらあるだろう。危機をあおり軍拡にひた走る日米政府に任せるわけにはいかない。戦争を起こさせない国際世論が鍵を握る。
◇陸自オスプレイ 県内訓練か 陸幕長言及、負担増恐れ(琉球新報 2022.9.30)
◇オスプレイ事故率増 普天間配備10年 以前の1.39倍(沖縄タイムス 2022.10.1)
◇防衛相、安全を強調 オスプレイ配信10年で(沖縄タイムス 2022.10.1)
◇飛行方法も順守せず 県外分散は可能(琉球新報 2022.10.2)
◇オスプレイ 沖縄配備10年 空軍、海軍型も飛来(琉球新報 2022.10.2)
オスプレイの県内配備強行から10年。開発時に墜落事故が多発、「ウイドウ・メーカー(未亡人製造機)」「空飛ぶ棺桶」とあだ名され、エンジン停止など非常時に軟着陸させるオートローテーション機能が欠如する重大欠陥が指摘されながら、政府は米軍の配備計画をひた隠しに辺野古新基地建設を進めた。沖縄から本土へ、自衛隊も購入し日本中を飛び回っている。米軍機の低空飛行と同様に「日本の沖縄化」が進んでいる。
陸上幕僚長は南西諸島での陸自V22オスプレイ訓練に言及した。南西諸島が台湾有事対処の日米軍事拠点となることが念頭にあることは間違いない。自衛隊は大量のミサイル・弾薬増産、保管も計画している。有事には自衛隊の総力を沖縄に結集する構えだ。「日本の沖縄化」、米国が戦後構想した「日本の全土基地化」「日米軍事一体化」が完成形となる中で、日本全土が戦時態勢に組み込まれつつある。犠牲は沖縄だけで済まないだろう。「あなたの服に火が付いている」(三上智恵)ことに気付くべきだ。
9月27日(火) https://nomore-okinawasen.org/2977/
台湾有事発生時参戦回避が重要 宜野湾 シンポで識者訴え(沖縄タイムス 2022.9.27)
台湾有事「起こさぬ努力を」宜野湾でシンポ 日米作戦、危険性指摘(琉球新報 2022.9.27)
政府、国防関連費創設 PKO予算など念頭 NATO基準参考に(琉球新報 2022.9.27)
9月28日(水)https://nomore-okinawasen.org/2992/
18歳名簿 自衛隊提供中止 名護市 23年度から閲覧対応(琉球新報 2022.9.28)
教え子 戦場に送らない 中頭退職教職員会も集会(琉球新報 2022.9.28)
9月29日(木)https://nomore-okinawasen.org/3012/
知事 防衛相と初会談 自衛隊配備すれ違い (2022.9.29)
「有事」巡って温度差 県防衛力強化に懸念(沖縄タイムス 2022.9.29)
避難シェルター 整備重要と指摘 南西防衛で防衛相(琉球新報 2022.9.28)
日中首脳、記念メッセージ きょう国交正常化50年(沖縄タイムス 2022.9.29)
元首相ら「日中対話を」(沖縄タイムス 2022.9.29)
北朝鮮ミサイル発射 日本海へ2発 米韓演習反発か(沖縄タイムス 2022.9.29)
9月30日(金)https://nomore-okinawasen.org/3027/
陸自オスプレイ 県内訓練か 陸幕長言及、負担増恐れ(琉球新報 2022.9.30)
米「拡大抑止」を確認 副大統領、韓国大統領と会談(琉球新報 2022.9.30)
10月1日(土)https://nomore-okinawasen.org/3042/
敵基地攻撃 防衛費増を検討 有識者会議初会合 安保三文書改定へ 南西諸島基盤整備を 有事想定し有識者提言(琉球新報 2022.10.1)
台湾有事 対話で回避 有識者、プロジェクト発足(沖縄タイムス 2022.10.1)
台湾有事 対話で阻止 県内有識者ら団体発足(2022.10.1)
防衛力強化と財源検討 安保戦略で有識者初会合(沖縄タイムス 2022.10.1)
抜本強化へお墨付き 財務・防衛両省さや当ても(琉球新報 2022.10.1)
基地負担減 国の責務 玉城知事、2期目で訴え(沖縄タイムス 2022.10.1)
オスプレイ事故率増 普天間配備10年 以前の1.39倍(沖縄タイムス 2022.10.1)
防衛相、安全を強調 オスプレイ配信10年で(沖縄タイムス 2022.10.1)
負担増に再三反対 県外移転、政府に求める 知事、陸自機訓練も警戒 怒りが込み上げてくる(沖縄タイムス 2022.10.1)
続く重大事故懸念 オスプレイ普天間配備10年 陸自も17機計画 南西諸島防衛目的 安全確保策骨抜き(沖縄タイムス 2022.10.1)
10月2日(日)https://nomore-okinawasen.org/3064/
語らぬ市長 混乱に拍車 馬毛島自衛隊基地賛否 市議が反発(沖縄タイムス 2022.10.2)
日米戦闘機訓練 対中抑止力強化狙う(沖縄タイムス 2022.10.2)
北朝鮮 弾道弾2発 日本海向け 1週間で4回目 日米韓 日本海で訓練(琉球新報 2022.10.2)
飛行方法も順守せず 県外分散は可能(琉球新報 2022.10.2)
オスプレイ 沖縄配備10年 空軍、海軍型も飛来(琉球新報 2022.10.2)
文責:新垣邦雄(ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 発起人)