メルマガ300号

今回のメルマガは石破新政権に対しての会からの声明です。
自民党の総裁に選出された石破茂氏は、首相就任前に10月中の衆院解散を表明しました。説明責任を回避する国民への背信行為にほかなりません。ノーモア沖縄戦の会は9月28日に声明を発表、同30日に沖縄県庁で記者会見を行い、「日本を守る」と軍拡路線、戦争準備をさらに加速する構えの石破茂首相に対し、「長射程ミサイルの沖縄配備に反対」など軍備強化をただちに中止するよう訴えました。今後も現政権の軍備拡大、戦争政策にノーの声を上げ続けていきます。ぜひお読みください。

自民党総裁選と石破首相に対する声明

自民党新総裁に石破茂氏選出にあたっての声明 

                         ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会

 自民党の新総裁に石破茂氏が選出された。今回の自民党総裁選は立候補者全員が「防衛力強化」、憲法への自衛隊明記や緊急事態条項を含めた早期の「憲法改正」を主張し、安部政権から岸田政権に引き続く「戦争をする国」づくりの「軍事大国化」路線のリーダー選びにほかならない。元防衛相で本流の石破氏が、「事実上の首相」(沖縄タイムス)に選出され、日本・沖縄の軍備強化、戦争の危機がいっそう高まることを危惧せざるを得ない。
 石破氏は総裁選で「日本を守る」と軍備強化を国政の最重要課題に掲げ、ただ一人「安全保障基本法」の制定、また独自の「NATO版安全保障態勢」を打ち出し、米欧と一体化する「軍事大国化」構想を鮮明にした。「防衛費増額で船(軍艦)や飛行機(戦闘機)や車両(戦車)を買っても、乗る人がいなければどうするか」(日経)と自衛隊の増強、「憲法改正で自衛隊を明記」し「安全保障基本法で防衛力整備、自衛官の処遇、国や自治体の責務をきちんと書く」(読売)と、国と地方自治体、国民の「責務」を前面に推し出した。
 石破氏は2011年に琉球新報社の取材に「沖縄に県民で構成する海兵隊があったらいい」「海兵隊がないのは日本だけ。北海道など全国でも郷土部隊を構成できればいい」「朝鮮半島や台湾海峡で有事の恐れもある。海兵隊が必用な理由がある」と述べている。自民党政権下の「三矢研究」(1969年)は「郷土防衛隊の設置(非常時国民戦闘組織)」、元防衛庁長官の船田自民党国防部会長は「郷土防衛隊百万人を組織」を提起(69年)している。また自衛隊関係者の著書(2022年)は「知事直属の民間防衛組織」「消防職員、大学生の活用」を提起している。
 「軍艦や戦闘機、戦車に乗る人をどうするか」「沖縄に県民の海兵隊、全国に郷土部隊を」と提起する石破氏が「事実上の首相」となり、憲法に自衛隊を明記し「国民の責務」が規定することになれば、「戦争をする国」への国民総動員が完成形となることを強く危惧する。
 石破氏は自民党幹事長時に、辺野古新基地建設に反対する自民党県連、県選出・出身国会議員を連座させ辺野古新基地建設を承認、屈服させた(2013年)。14年の名護市長選では「辺野古新基地を容認する候補者が当選すれば、500億円の名護振興基金を実現する」と荒唐無稽な口約束で「カネで票を買う」公選法違反を疑われる演説をした。辺野古新基地を「自衛隊が管理し米軍と共同使用」の考えを示し、総裁選出馬にあたっても「日米合意の現実的な解決策」と辺野古新基地建設を一貫して主導してきた。
 石破氏は「日米地位協定の改定」を強調しているが、従来、石破氏は「対等な日米関係」を持論とし、「米本国での自衛隊の訓練」を提起するなど、沖縄や国民に不利益を強いる日米安保態勢の強化、そのための「日米地位協定の改定」でしかなく、「日米の軍事一体化」をさらに強化する姿勢に変わりない。
 石破氏は早期の解散総選挙に言及している。ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会は台湾有事、朝鮮有事に向けた日米の軍備一体化、琉球弧・九州のミサイル部隊配備、特定利用空港港湾の指定やミサイル弾薬庫建設など自公政権が強行する全国の戦争準備に断固反対する。
 総裁選のテレビ報道は「誰が選ばれるか」の下馬評に終始し、憲法違反が指摘される安保法制、岸田政権下で国会の議論もなく閣議決定した安保3文書による「戦争をする国」づくりに対する疑義や正当性を問う議論は皆無だった。お祭り報道で総裁選を盛り上げ、自民党に有利な次期衆院選への国民的な高揚ムードを作り出したメディアの責任は重い。「二度と国民を戦争の惨禍に陥らせない」「戦争のためにペンを握らない」ことを誓った新聞、メディアの責任の自覚を求める。
ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会     

2024年9月28日
    
    共同代表 石原昌家 具志堅隆松 ダグラス・ラミス 宮城晴美 山城博治 

       9月30日、県庁記者クラブでの意見表明

 日本が「戦争をする国」へとさらに大きく踏み出し、沖縄・日本が戦場となる懸念が高まることに強い危惧を抱き、石破政権の「軍拡・戦争」路線に強く反対を主張します。

 内閣、首相に権限を集中する「国家安全保障会議」、「特定秘密保護法」による軍事情報の秘匿、集団的自衛権行使を可能とする「安全保障法制」、台湾有事に米軍との対処を明記し莫大な軍事費を投入する「安保三文書」の閣議決定。重要土地規制法などさまざまな戦争法、国民の批判を封じる日本学術会議会員の任命拒否など、憲法違反が指摘され国会の多数と閣議決定による独断は、「行政独裁」、民主主義の破壊であり、「戦争をする国」づくりにほかならない。憲法、民意に反する安全保障(軍事)政策、戦争法の破棄を主張します。
 玉城デニー知事は「反撃能力の県内配備に反対」を表明しています。石破政権に対し、地対艦ほか長射程ミサイルの沖縄配備に強く反対します。
 
 石破氏が「アジア版NATO安全保障体制」を打ち出し、持論である核抑止強化により「日本への核の持ち込み」を提起したことに強く反対します。
 沖縄を戦場とすることを念頭に、政府は先島12万人の九州避難計画を進めています。多くの専門家が130万人の沖縄本島は先島以上に攻撃される危険性が高く、住民避難の実現困難性を指摘しています。住民避難計画、シェルター建設など「戦争を準備するためでしかない住民保護計画」の中止を要求します。

 日米統合軍事演習「キーン・ソード」が10月末から、全国、特に沖縄の島々に集中し最大規模で強行されようとしています。オスプレイが島々に展開し、米軍ハイマースや自衛隊の地対艦・地対空ミサイルの展開は、台湾有事に対処する「日米共同作戦計画」、その実戦訓練にほかなりません。「キーン・ソード」日米統合訓練の中止と、2プラス2で合意された「日米共同作戦計画」の中止を、玉城知事、県民の総意として強く要求します。

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