メルマガ251号

今回のメルマガは辺野古土砂ストップ北九州の八記久美子さんからの寄稿です。本稿では北九州空港が「特定利用空港」に指定され、空港に無人偵察機が移転するなど、急激な軍事強化が進んでいることについて具体的にふれていただきました。また着々と福岡、長崎、佐賀における軍事強化の状況についても紹介しています。ぜひお読み下さい。
 八記さんがおっしゃるように、つながることを大きな力にしていけるよう、今後、当会でも軍事強化が進む地域との情報共有、連携をさらにすすめていきます。読者の方々からの寄稿をお待ちしています。

九州の端っこから発信…激変していく北部九州の実態

■700m向こうに山口県
私たちの会は、9年前から福岡県北九州市を拠点に活動しています。関門海峡を挟んで向こうは山口県です。
さて、そんな位置にある私たちの北九州市は、いま大きく変わろうとしています。一つは北九州空港が「特定利用空港」に指定されたことです。市長は議会にも市民にも伝えず、勝手に指定を承諾してしまいました。北九州市では「平和をあきらめない北九州ネット」が中心になり、当会を含む市内34団体が合同で、「指定撤回」の申し入れを行いました。
さらには、九州で唯一24時間使える人工島の北九州空港には、今年度末までに、青森から海上保安庁の無人偵察機「シーガーディアン」3機が移転して来て、最終的に5機になります。
また、国の「強靭化」対象地区リストにも、市内の二つの自衛隊施設が入っています。この1,2年で、私たちの故郷は激変しました。

■沖縄や南西諸島だけでなく、盾の全貌が
「特定利用空港・港湾」の指定は、戦争を前提に、各地の空港や港を国が改修や整備をし、日頃から自衛隊が、訓練や人員・物資の輸送などで軍事利用しやすくするのが目的です。同時に戦争時には、ジュネーブ諸条約で、民間施設であっても軍事施設とみなされ、攻撃の対象となります。
専門家は、今回、九州・沖縄だけでなく、四国や北海道の港湾が指定されたことについて「四国の港湾は、太平洋に出やすく、南西諸島からのアクセスが良い。北海道には多くの陸上自衛隊の部隊や物資がある」と話しています。
もう、南西諸島だけでなく、九州から北海道まで含めて、アメリカのための盾が具体的な形となって、その全貌を現し始めています。

■福岡…築城基地の米軍化すすむ
ここからは、九州の北部の県について触れてみたいと思います。
そもそも、福岡の「築城基地」と宮崎の「新田原基地」の整備は、「普天間飛行場返還8条件」の一つでした。築城基地は、すでに、自衛隊と米軍共用庁舎(地上 3 階・地下 1 階。地下に自衛隊用指揮所機能あり)や米軍専用庁舎、弾薬庫・燃料タンクなどが完成。
これにより、12機程度の戦闘機と、1機程度の輸送機、200人程度の軍人が受け入れ可能となりました。また、2022年12月には米軍に引き渡され、現在は共同訓練の時に使われています。
本格使用は、現在2400mの滑走路を2700mに延長してからの様ですが、工事はまだ始まっていません。なお、工期は7年となっています

■長崎…日本版海兵隊3000人に
「水陸機動団」は「日本版海兵隊」とも言われ、18年3月に創設されました。任務は戦争で奪われた離島を取り戻すことです。同団は現在、3個連隊・3000人規模になっています。

■佐賀…空港にオスプレイ17機
県が「空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」との一文を入れ、1998 年に作られた佐賀空港ですが、今空港の横に、長崎県の水陸機動団を南西諸島へ輸送するための自衛隊の駐屯地を作り、そこにオスプレイを駐機。格納庫や兵舎も造られようとしています。
配備するのはオスプレイ17機。木更津に暫定整備されている14 機と、製造中の3機です。
吉野ヶ里にある目達原(めたばる)駐屯地のへリコプター部隊(約 50 機と隊員規模 700~800 人)も移駐予定です。
オスプレイを木更津駐屯地に置けるのは、2025 年の7 月まで。そのため政府は、2025 年 6 月末までの完成を目指し、休日も含む 24 時間体制で工事を行っています。

■つながることで生まれる力
 当会の以前の名前は「辺野古埋め立て土砂搬出反対北九州連絡協議会」でした。地元の門司から大量の土砂が辺野古に搬出される予定でしたが、全国の仲間とつながって、門司をはじめ山口や小豆島からの土砂搬出をはねのけました。私たちはこの運動で、つながることが大きな力になることを学びました。今回の「特定利用空港・港湾」の指定問題も、各地域がつながることによって、なにか見えてくるものがあるのではないでしょうか。そんなことを考えながら、これからも九州の端っこから、情報発信をしていこうと思っています。

八記久美子(辺野古土砂ストップ北九州)

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