来る4月14日、当会では田岡俊次さん、小西誠さんのお二人の論客を招き、講演会「ノーモア日中戦争、台湾有事=日本有事のウソ」を開催します。当会の新垣邦雄事務局長は、沖縄、南西諸島のミサイル要塞化は、決して日本を守るのではなく、「台湾を守る」ために中国と戦うということであり、それはまさしく侵略戦争である、その愚かしさに県民、国民は気付くべきと指摘し、多くの参加を呼び掛けています。政府が次々と軍事要塞化を既成事実化させ、避難計画、シェルター整備など、戦争回避どころか、戦争ありきの方向へ突き進んでいます。この戦争一直線の事態をどう考え、向きあうべきかの処方箋が今回の講演会に提示されると思います。ぜひお読みいただき、お誘いあわせの上、ご参加ください。あわせて「ミサイル要塞化写真展」への足をお運びください。
沖縄、日本を亡ぼす日中戦争 「台湾有事」介入は侵略戦争 田岡俊次氏 小西誠氏講演会
日米政府は「台湾有事」に介入する戦争準備を進めている。日本が中国と戦争することになれば、沖縄だけでなく日本が滅びるのではないか。そもそも「中台紛争」に日米が軍事介入する正当性はあるのか。「台湾を守るために中国と戦争をする」ことは県民、国民、自衛隊員を無益に死なせることではないのか。筆者の頭にこびりつく疑問である。
ジャーナリスト布施祐仁氏は沖縄講演で「台湾を守るために中国と戦う。そのことを岸田首相は国民に説明していないし、国民は合意していない」と指摘した。軍事ジャーナリスト田岡俊次氏は「日中平和条約は、『一つの中国』、『台湾は中国の不可分の領土』と認め、中台紛争が起きたとしても『内戦』『中国の内政問題』であり、日米が介入すれば内政問題に介入する侵略行為(戦争)」と指摘する。
日米政府はあたかも中国が日本に攻め込んでくるかのように中国脅威論を煽り、戦争準備を進めている。本当だろうか。「中国から台湾を守る」ために日米が「中国の内政問題」の「中台紛争」に介入すれば、沖縄・日本が核ミサイル大国の中国との戦争に巻き込まれるのではないか。それは日本の「国益」を守る安全保障政策と言えるのか。
沖縄のミサイル要塞化に反対する新聞投稿に、「再び沖縄が日本を守る捨石になる」という論旨を目にする。大きな勘違いがあると思う。 米中、日中間の条約、声明は「一つの中国」「台湾は中国の領土」と確認してきた。中台紛争に日米が関与することは、条約遵守を定める憲法、国際法に反し、国連や国際社会から「侵略行為」とみなされると田岡氏は指摘する。米国はイラク戦争など国際法に反する「侵略戦争」を重ねてきた。「米軍は日本を守るのでなく、アジアへの出撃拠点として沖縄、日本に駐留している」とも指摘する。
愚かにも自衛隊が中台紛争に軍事介入すれば、「沖縄だけでなく日本が火だるまになる」(海渡雄一弁護士)と田岡氏、布施氏、軍事ジャーナリスト小西誠氏が指摘している。小西氏は「戦争準備は沖縄から全国へ第二段階に入った」と指摘する。
田岡俊次氏、小西誠氏の「ノーモア日中戦争 台湾有事=日本有事のウソ」講演会を4月14日(日)午後1時から琉球新報ホールで開催する。入場料千円。12日(金)~14日(日)午前10時~午後5時、「ミサイル要塞化写真展」も新報ギャラリーで開催。入場無料。
問い合わせは090-2716-6686(新垣)まで
新垣邦雄(当会事務局長)
※本稿は新垣さんのご承諾を得て、琉球新報論壇(2024年4月2日)を転載したものです。