メルマガ234号

今回は当会共同代表の具志堅隆松さんからの寄稿です。今着々とすすめられる戦争準備が住民の反対を押し切るように強行されています。
具志堅さんは戦場にならないために、首長、議員、住民がどういう責任を負い、向き合うべきなのかついて論じていただきました。ぜひ本稿をお読みください。

戦争準備受け入れ許すな -自衛隊基地建設

「戦争準備受け入れ」とは県内各地の自衛隊基地建設を受け入れることである。沖縄では基地建設が日本政府によって強引に進められている。しかし、戦争被害を直接受ける立場にいる住民は、賛成しているわけではない。首長・議員・住民は日本政府に対し建設をストップさせるだけでなく、基地があることで戦争の危険が増すのであれば、既に完成した基地も撤去させることを考えないといけない。
 たとえ基地建設にいくら費用がかかっていようとも、人の命には換算できないからだ。そのために首長・議員・住民の責任を考える。
①知事をはじめとする市・町・村の首長の一番の責務は、住民の命と生活を守ることである。国との軋轢を避けるため、安易に「防衛は国の専権事項である」などと無責任な責任回避を振りかざして、住民を戦争へ誘導すべきではない。今の沖縄の状況で、首長が基地建設を認めるというのは、住民の生存権を国に売り渡すようなものである。
⓶県議会議員をはじめとする市・町・村の議員は、所属する会派の意向に縛られることなく議会人として、議会においては経済的利益などより沖縄全体の普遍的利益である「戦争へ向かわない道」を選択してほしい。たとえ小さな村の議会決定でも、結果が沖縄全体の安全と生活の存続に及ぶことは、宮古・石垣・・与那国が県外避難に直面している状況を見れば明らかである。議員個人にも全体に対し責任が確実にあることを認識すべきである。
③住民である県民にも基地建設に対する責任はあるのかと問えば、それは確実にある。では誰に対してか、それは子どもや孫に対してであり、さらにその地域だけでなく、本土を含む周りの地域に対してもある。例えば一つの離島が攻撃されたら、その島に対する攻撃だけで済むわけがない。うるま市のミサイル基地が攻撃される時は、沖縄全島の基地が攻撃されるときであるー。
 一つの地域で基地建設という「戦争準備受け入れ」を許すというのは、全体が危険になることを許すというのと同じだ。さらに戦火は本土にある日米両軍基地にまで及びだろう。沖縄を戦争から守るということは、日本を戦争から守るということだ。つまり沖縄住民は日本を戦争から守るためには自衛隊基地を撤去させる責任がある。そのため住民であり、主権者である私達は「自衛隊はミサイルを持って沖縄から出て行ってください」と声を上げるべきである。 

具志堅隆松(当会共同代表 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表)
※本稿は具志堅さんのご承諾を得て、沖縄タイムス論壇(2024年3月6日)を転載したものです。

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