今回の投稿は奈良県で精力的に反戦平和運動をリードされ、「沖縄を再び戦場にするな」戦争をさせない、しない白旗運動を展開されている崎浜盛喜さんの投稿です。二回に分けて配信いたします。
崎浜さんが5月から取り組んでいる三上智恵監督の「沖縄、再び戦場に(仮)」の上映運動では合計46回、750人の参加を集めています。感想を見ると危機感がひしひしと伝わり、平和のサテライトとして何かしなければいけないと感じる方々がたくさんいたことがわかります。7月30日の大集会、伊波洋一さんの講演をはじめさまざま活動を展開されていることに敬服します。また、麻生発言にたっぶりの皮肉と、痛快で真正面からの批判をこめた「白旗運動」は今後の参考になり、大きなうねりを作り出していくと思います。ぜひお読みください。
「沖縄を再び戦場にするな!」戦争をさせない、しない白旗運動を始めました
「命どぅ宝の会」の皆様、私は、山城博治さんの友人で北中城村瑞慶覧出身です。
去る7月30日(日)奈良県人権センターにおいて「7・30「沖縄を再び戦場にするな!」戦争(大軍拡)と大増税に反対する奈良県集会」を開催した。50にのぼる市民団体や労働組合の賛同を得て、約200人が参集し熱気あふれる集会となった。集会では辺野古新基地反対運動のDVD上映、牧志徳の沖縄・奄美島唄ライブ、「沖縄、再び戦場に」(三上智恵監督作品)DVD上映、伊波洋一参議院議員の講演、主催者挨拶と行動提起等々を行い「沖縄を再び戦場にするな」戦争をさせない、しない白旗運動を奈良県下で展開し、沖縄との連帯を強めよう、と全体で確認しあった。以下、奈良県集会と奈良の運動の報告と私の主張を述べさせてもらいます。
1,「沖縄、再び戦場へ」DVD上映運動―「ミサイル基地建設なんて、全く知らなかった」
5月末から奈良県において「沖縄、再び戦場へ(仮題)」(三上智恵監督・スピンオフ作品)を始めた。9月1日現在、46回上映会、約750人が参加した。個人の家での4,5人の鑑賞会や地域や団体14,5人の上映会等々できるだけ多くの人に「ミサイル基地問題」の真実を伝えるための上映運動を展開し、現在も継続している。
主な感想は次の通り。
〇「本土のメディアは全く伝えない。これをみんなに観てもらわなくては。」
〇僕たち若者は政治の動きにも鈍感だし、あんまり反応しない。そういうことが政府の気を強くさせていて、今の沖縄の状態を作り出す一因になっているのではないか、と感じた。学生の友人たちを集めて映画上映会をしたい。
〇 デモでの警察官とのやり取り、どちらが正義で、どちらが平和を守る立場にいるのか・・・考えさせられるシーンであった。
〇 母子の座り込みで、泣く子を見て「こんなところに連れてくるのが悪い」といった大人に「泣かせたのは母さんじゃない。あれ(警察の排除行為)が泣かしたんだ」と言い返した子供の姿を知って感動した。
〇 戦争準備がすでに出来上がっている。何時でも始められる。来年では遅いとの監督の切迫したお気持ちが伝わりました。
〇 国の政策によって沖縄が再び捨て石になる可能性。地域住民の意思を尊重すべきだ。それを国家は専権事項とばかり、一切無視して強行する。琉球差別、地域差別の果てに戦争体制が築かれる。絶対に許されない。
〇 もう一度戦争を行った歴史を振り返ってみるべき。歴史の中には戦争へ舵を切った時がある。間違いを繰り返さないように。
〇 国を守るということはどういうことかを考えること。沖縄の人同士が対立している形になっている。
三上さんのメッセージ「南西諸島の現状をその目で見て受けとめ、SOSに耳を傾け、そして発言・行動につなげる力のある人たち」「戦争に向かうこの国の流れを止める小さな単位を各地に生んで」いかねば、が確実に受け止められ生まれつつある。
このような奈良県下における「沖縄、再び戦場へ」DVD上映運動が「7・30「沖縄を再び戦場にするな!」戦争(大軍拡)と大増税に反対する奈良県集会」の成功に繋がったと確信している。
2,「7・30「沖縄を再び戦場にするな!」戦争(大軍拡)と大増税に反対する奈良県集会」
(1)集会開催の趣旨・目的―「沖縄を再び戦場にするな!」戦争をさせない、しない白旗運動を!
日の丸より白旗を掲げよう!
昨年末の安保三文書は、日本国が他国を先制攻撃・敵基地攻撃―侵略する軍事国家になったと宣言したことに等しい。そのために与那国島(沿岸監視部隊―ミサイル部隊へ)、奄美大島、宮古島、石垣島に自衛隊(日本軍)のミサイル基地建設が強行され、本年度中には沖縄島の自衛隊勝連分屯地にミサイル基地司令部が設置される。
まさに、「台湾有事(戦争)」を煽り立てて琉球・沖縄全島の軍事要塞化が貫徹され、日米両国家の利益のために再び沖縄が犠牲にされようとしている。
今度は琉球・沖縄の全島が壊滅する危機が身近に迫り、「沖縄を再び戦場にするな!」の県民運動が展開されている。
このような琉球・沖縄の危機的状況と運動に連帯すべく「沖縄を再び戦場にするな!戦争(大軍拡)と大増税に反対する奈良県集会」を本日開催することになった。
伊波洋一参議院議員の講演を聞き、少しでも琉球・沖縄の「危機」を我々一人ひとりが共有することによって琉球・沖縄、そして日本の危機を阻止する奈良県民運動を展開していきたい。
平和憲法を破壊して「子どもの未来」(子供対策予算)を「軍靴・軍事」(大軍拡のための大増税)で踏みにじる戦争への道を何としても阻止しよう!
白旗運動―「白旗の少女」について
沖縄戦記録映画の最後の場面で、ガマから、白旗を掲げた少女が出てくる。
老夫婦に「白旗は無抵抗の意味で、殺されない」と教えられたという。
少女の命を救った、この白旗を受け継ごう。
戦争をさせない、戦争をしない、殺さない、殺されたくない、「命どぅ宝」。
白旗を掲げ、一人ひとりの様々な思い・意志を表そう。
尊い命を守るために「争うよりも愛しなさい」。
(2)「沖縄が戦場になる」―伊波洋一参議院議員講演
伊波洋一参議院議員が「安倍政権の南西諸島の軍事強化と岸田政権の安保3文書改定の軍拡がもたらすもの」と題して講演を行った。要旨は次の通りで「沖縄の危機」を具体的に解説していただき、大きな反響を呼び起こした。
①「安保3文書と大軍拡」―岸田内閣の憲法違反
〇昨年12月の岸田内閣による「安保3文書と5年間43兆円の大軍拡」の閣議決定は、日本国憲法9条に基づく平和主義、すなわち「専守防衛」を否定するものである。
日本国憲法9条の根幹にかかわる「敵基地攻撃能力の保有」の閣議決定による転換は、主権者・国民を無視し、その代表機関である国会の機能を否定したものであり、明確な憲法違反である。
②「戦争を避ける」選択肢がない
最大の欠陥は、「戦争を準備する」ことが目的となり、「戦争を避ける」選択肢がないこと。
③「有事」の時、米軍の役割がない
有事の時に5万人以上駐留している在日米軍の役割がない。
「国家防衛戦略」では「万が一、抑止が破れ、我が国への侵攻が生起した場合には、我が国が主たる責任を持って対処し、これを阻止・排除する」のは自衛隊の役割であり、在日米軍の役割がない。
米国・米軍の「台湾有事(戦争)」に米軍が出てこないのか??
日本が敵基地攻撃をやれば必ず報復攻撃がある。中国、ロシア、北朝鮮を「攻撃目標」としているそうだが、この3国は、核兵器、大陸間弾道ミサイルなどを持つ「ミサイル大国」だ。戦争をおこせば、日本は、ひとたまりもない、
④沖縄―日本が戦場になる、米軍の作戦
「安保3文書」はアメリカ中心の国際秩序を守るために日本を戦場にする戦争戦略に他ならない。
ウクライナでの戦争と同様にアメリカは、核戦争へのエスカレーションを理由に、中国と直接には戦わず、同盟国―日本に制限戦争を戦わせる戦略なのだ。この米軍戦略のために自衛隊が米軍に代わって戦争をして、沖縄―日本を戦場にすることがあってはならない。
私たちは、沖縄や台湾、日本を戦場にしようとする米軍戦略にN0!を突き付けて、絶対に二度と戦争をおこさないために声を大きく上げていきましょう。
以上の通り約200人が結集した奈良県集会では、「沖縄の危機」を我々全体が共有し、戦争をさせない、戦争をしない、殺さない、殺されたくない、「命どぅ宝」―白旗運動を幅広く、力強く展開することを誓い合った。(次号に続く)
崎浜 盛喜(「命どぅ宝の会」賛同人 奈良沖縄県人会・相談役 奈良―沖縄連帯委員会代表)