8月13日、沖縄県庁前県民広場で、麻生自民党副総裁の「日本、台湾、アメリカはじめ有志国に抑止力を機能させる覚悟が求められている。戦う覚悟だ」との発言に対する抗議集会が開催され、220人が参加しました。具志堅隆松共同代表は「戦う覚悟というのは人を殺す覚悟のこと、絶対に認めない」と冒頭のあいさつで述べ、そのあとリレートークが続きました。サイパン戦を体験した横田チヨ子さんは自らの地上戦の体験を述べ、絶対にこの発言を認めることはできない、何としても沖縄が戦場になることを止めていきたいと訴えました。県民の会ではキックオフ集会を来る9月24日に開催し、多くの参加をよびかけています。また詳しい情報は当会ホームページでもお知らせします。ぜひご参加いただき、島々を戦場にしない思いを一つにして、行動していきましょう!!
具志堅隆松さん
横田チヨ子さん
瑞慶覧長風さん
麻生暴言に抗議し発言の撤回を求める8・13緊急集会宣言(案)
去る8月8日に台湾を訪問した自民党麻生副総裁は、台湾国際フォーラムでの
講演で、中国を念頭にと主張したという。これは中国と事
を構える決意を表明したのみならず、それ以上に中国にとっては、宣戦布告と
受け止めかねない極めて危険な発言で、いたずらに台湾、沖縄を含むこの地域
の軍事緊張を高める言動というほかなく理解に苦しむところである。事実中国
外務省は「身の程知らずの挑発」「中国を威嚇し、地域の平和と安定を乱す発
言」と激しく反発したと報道されている。今年8月12日は、1978年に日中間で
締結された「日中平和友好条約」調印から45年を数える重要な節目となってい
る。今年4月北京で林芳正外相と会談した中国李強首相は「平和友好条約の精
神を双方が守り、友好を発展させることは両国の利益だ」と強調し、歩み寄り
を求めたと報道されている。それだけに今回の麻生発言は対話による和平の芽
を摘みとる極めて残念な発言と言わなければならない。
他方、国内政治の関連で言えば、麻生発言は、「二度と戦争は行わない」と
誓った平和憲法の精神を踏みにじるだけでなく、自民党政権が戦後一貫して国
是としてきた「専守防衛」の安保外交政策を完全に投げ棄て、普通に戦争が行
える国家を宣言する暴論と指弾されなければならない。
さらに沖縄との関係で言えば、安倍、菅、岸田と続く自民党政治によって、
沖縄の島々そして奄美、馬毛島と続く「南西諸島」と総称される島々が、対中
国戦争の最前線に位置づけられ、自衛隊基地建設と弾薬庫やミサイル配備によ
って、地域では戦争に巻き込まれる不安が広がっている。そのような状況下で
、いよいよこの地域が戦場とされる現実の脅威があからさまに語られたと言っ
て過言でない。「戦う覚悟」とは現実の問題、沖縄県民に向かって、南西諸島
の全住民に向かって語られたことであり、「戦争を覚悟せよ」と語ったことに
等しい。
しかも、この発言は、麻生氏に同行した自民党政調副会長によれば「政府内
で調整した発言」と報じられ、単に麻生氏の暴言、暴走で済まされず、岸田内
閣の責任は重大であることが明らかにされた。政府挙げて台湾を守るために中
国との戦争も辞さない決意を明言し、全国民、沖縄県民に対し「戦う覚悟」を
迫ったものと受け止めざるを得ない。実に恐るべき内閣である。私たちは許さ
ない。常軌を逸した麻生発言、それを容認後押しする岸田内閣に満腔の怒りを
込めて抗議し、麻生氏、岸田首相に釈明と謝罪及び発言の撤回を強く要求する
ものである。以上宣言する。
沖縄を再び戦場にさせない県民の会主催
麻生暴言に抗議し発言の撤回を求める緊急集会参加者一同
麻生発言の撤回要求に賛同します。かつて戦時中、小学校(当時「国民学校」)での教科書には、台湾は朝鮮半島などと共に、本土並みに赤く塗られていました。日本の領土でした。中国を侵略し、日清戦争で分捕った台湾です。その台湾での発言は侵略の歴史に照らせば、極めてデリケートで、かつ重大です。
また岸政権の副総理の発言は当然、日本政府の公式見解とみなされます。そこで岸首相の責任が問われます。麻生発言は米政府の尻馬に乗っての暴言です。米政府は昨年のペロシ―下院議長が台湾を訪問、今年にも米議員が訪問し、中国が激しく反発しましたが、半世紀前の米中国交回復の立役者、100歳のキッシンジャー氏が最近、中国を訪問、手厚い歓迎を受けたとか。米国は中国に硬軟二重の外交を展開しています。日本がアメリカの指示に従い、中国敵視政策一本鎗で、気が付いたら梯子を外されている羽目になるかもしれません。愚かで、危険な発言です。