メルマガ121号(2023年4月25日)

今回は神谷美由希さんからの寄稿です。神谷さんは「台湾有事を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」呼び掛け人として、精力的に活動され、2.26緊急集会、5月21日開催の集会でも実行委員としてかかわっています。神谷さんの「正しさを対立させるのではなく、お互いを理解して、両者が納得する賛成と反対を超えた第三の案を創り出す。そんな対話を続けていきたい」というメッセージに、戦争を回避し、平和的に解決していこうとする強い意思を感じます。ぜひお読みいただき、4月29日の「台湾有事を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」の第2回シンポジウムにご参加ください。シンポジウム詳細はこちらをクリックしてご覧ください。⇒ http://nomore-okinawasen.org/7562/

沖縄・台湾 対話プロジェクト 第2回シンポジウムに寄せて

「台湾有事を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」の第2回シンポジウムが29日に開催される。2月の第1回シンポジウムでは、台湾側も沖縄側も私以外は専門家の中、若い市民の一人として登壇した。私は去年から戦争が近づいているという危機感から、平和外交に関する活動をスタートさせた。分からないことが多い中、私を含め市民が分からないことをその代表で聞こうという気持ちで挑戦した。
 登壇すると、予想以上に話は難しく、自分は台湾のことを全然知らないことが分かった。台湾のゲストが嫌な思いをしていたらどうしようかと心配だったが、ゲストの一人の何思慎(かししん)氏は、シンポジウムが終わった後、「楽しかった。これからも連絡をとり続けて連携していこう」と言ってくれた。その言葉に、私は少し安心した。これからも勉強し続けようと改めて思った。シンポジウムは良かったという声や、こうした方がいいという反響があり、第2回は改善する方向で準備を進めている。
 私は第1回シンポジウムで、連帯の重要性について話した。国際政治学者の羽場久美子氏から聞いた「ヨーロッパでは、冷戦期に国家と国家ではなく、自治体や環境団体NGOがロシアや東欧諸国も呼び込んで安全保障の話し合いの場をつくり、それが全欧安全保障協力会議になり欧州平和の基礎になっている」という話をした。
 その話を聞いた時、希望を持った。私は、沖縄を中心にして世界平和をつくっていきたい。平和学の父ガルトゥング博士も、沖縄を拠点とする北東アジア共同体の構築という平和ビジョンの提案をしている。沖縄が昔から軍事的なものをベースにしない非常に平和な国家であったことを指摘していた。鳩山由紀夫氏(元首相)も東アジア共同体を提起し、「東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター」を設置して、精力的に活動しているし、元ソビエト連邦大統領故ミハイル・ゴルバチョフ氏も、沖縄で人間の安全保障のフォーラムを開こうと発言していた。
 沖縄はこれほどポテンシャルがある場所なのである。琉球王国時代には中国とも400年以上も平和的に外交をしていた。歴史的に他国と戦争をしなかったことは、平和外交をするうえで大きなアドバンテージになる。また、なかなか政府に声が届かないことや、基地問題などで苦しむ現状は、同じような問題で苦しむ他国の市民の共感を呼び、連帯していこうという話になりやすい。それは韓国の市民との交流で感じたことだ。
 しかし、このテーマは過去の歴史の傷やシビアな話になり、対話をするのが難しい面もある。だから対話の前後に食事を一緒にするなど、コミュニケーションをとることが大事だ。第1回シンポジウムの時には、前日に集まり、一緒に食事をし、真剣な議論や他愛(たわい)のない話をした。リアルのコミュニケーションの良いところは、国は違えど、私たちは同じ地球に生きる市民、人間なのだと体感できることだ。友達になれる。同志になれる。このような交流を世界中の国の人としたら、戦争を起こそうということにならないのではないか。今回、リアルで顔を合わせて対話できたことはとても大きかった。情報の信頼性も高まるし、こういったつながりをどんどん広げていきたい。
 賛否両論あったシンポジウムの中、共同代表の岡本厚氏が私たちのプロジェクトの対話への姿勢を、改めて呼び掛け人に発信した。内容に深く共感したのでここで紹介したい。
 「対話とは、どんなに知識がなかったり、情報がなかったり、誤っていたりしても、許容する。否定しないということです。許容しあい、そして理解しあうということです。知識が足りなければ足せばいい。正しい情報を得ること、テキストそのものを批判的に検討することは大事です。しかし私たちのいま行っているのは台湾有事を起こさせないことであり、正しさの競争ではありません」
 この言葉に共感し、プロジェクトの呼び掛け人になってよかったと思った。正しさを対立させるのではなく、お互いを理解して、両者が納得する賛成と反対を超えた第三の案を創り出す。そんな対話を続けていきたいと改めて思う。
 第1回のゲストは台湾の二大政党に関係する方たちだった。今回の台湾ゲストは、マイノリティー側の声を聞いているジャーナリストや大学教員の方たちだ。なかには沖縄戦に関する本の中国版を担当した方もいる。沖縄の登壇者は「石垣市住民投票を求める会」の宮良麻奈美氏と地域外交の可能性を研究している小松寛氏だ。今回も台湾有事を起こさせないためにどうするかが大きなテーマだ。皆さんもぜひご参加ください。

神谷美由希(「台湾有事を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」呼び掛け人)

※今回の寄稿は神谷さんのご承諾をいただき、琉球新報 2023年4月21日文化面掲載の論稿を転載したものです。

「メルマガ121号(2023年4月25日)」への2件のフィードバック

  1. 日中の素晴らしい交流https://youtu.be/nKtrxBVRXu0
    3年前のニュースですが感動しました。
    コメント欄もとても良いです

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